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【クレーム対応Q&A】マイPCを学校に持参したい

 2021年7月現在では、日本中のほとんどの自治体でタブレット/PCの学校への配布は完了しています。そういった中で問題になってくることが、「GIGAスクール構想で配布された端末のスペックが低くて使いづらいので、自宅の端末を代わりに持っていきたい」ということです。

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 学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第45回は「GIGAスクール構想で配布された端末のスペックが低くて使いづらいので、自宅の端末を代わりに持っていきたい(BYODを許可してほしい)」。

コロナで変わる学びの姿


 新型コロナウイルスによって学びの姿にさまざまな変化がありました。GIGAスクール構想でタブレット/PCが1人1台配られたことも大きな変化です。GIGAスクール構想はコロナの流行前から計画されていたものですが、コロナによる一斉休校等があり、一気に進みました。

 2021年7月現在では、日本中のほとんどの自治体でタブレット/PCの学校への配布は完了しています。そういった中で問題になってくることが、「GIGAスクール構想で配布された端末のスペックが低くて使いづらいので、自宅の端末を代わりに持っていきたい(BYODを許可してほしい)」ということです。

BYODとは


 「BYOD」とは、「Bring Your Own Device」を省略したものです。自分の端末(パソコン、タブレット、スマホ等)を活用する取り組み方です。学校だけではなく、企業等においても、そういったことが行われている場合があります。企業としては、コストの削減等がメリットとしてあげられます。ただ情報漏洩等のセキュリティの問題等が課題となります。

 教育においても「BYOD」が実施さているケースもあります。たとえば、多くの大学では、それぞれの学生が自前のパソコンを用いて、日々の学習に取り組んでいます。タブレットやスマホを用いて、大学のLearning Management System(LMS:学習管理システム)にアクセスし、課題等に取り組んでいる学生もいます。大学として、入学時に購入するタブレット/PCについて、推奨するモデル等がある場合もありますが、他の機種でも一定のスペックさえあれば大丈夫だという場合がほとんどです。

小中学校でマイ端末の持参は難しい


 ただ、小中学校等において、大学と同じように学習で使うタブレット/PCをそれぞれの家庭で用意するということは難しいでしょう。現在、小中学校で子供たちが使っているタブレット/PCは、自治体から「貸与」という形になっています。もし、大学でのやり方と同じようにそれぞれの家庭で端末を用意するという形になると、各家庭の経済的な格差等が問題となります。一定額を補助金として出すこと等が具体的な方法となります。経済的な格差等が原因で機種が揃わなくなってしまうと、実際に学習等で使用する際に同じ学習ができない等の問題が生じる可能性があります。価格の安い機種を選んだ場合、機能的に能力の低いことが問題となることもあります。

 保護者が「GIGAスクール構想で配布された端末のスペックが低くて使いづらいので、自宅の端末を代わりに持っていきたい」ということを伝えて来た際には、「学校に持参することは遠慮してほしい」と伝えることが一般的でしょう。そして、家庭で取り組む際には、家庭にあるタブレット/PCを使っても構わないということを伝えていくと良いでしょう。GIGAスクール構想で配布された端末は、価格的にも上位機種ではありません。それぞれの家庭が自宅で使う端末を学校のものよりも性能の良い端末を用意し、学校の端末と同じアプリ等を入れることができる場合もあります。そういったケースであれば、家庭で活用する範囲において問題は生じないでしょう。

 現在は、GIGAスクール構想が本格的に始動し始めてまだ間もない時期です。今回のテーマである「端末の扱い」等だけでなく、色々な問題が生じてくることが予想されます。今後、少しずつそういった点が整理され、子供の学びがスムーズになっていくと良いと思います。

 本企画では、読者の皆さまからの質問を受け付けています。下記のボタンをクリックして表示されるフォームより送信ください。実際に学校へ寄せられたクレームのほか、保護者が学校へ伝えたクレーム等、鈴木先生に対応方法を聞いてみたいクレーム事例を募集します。

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鈴木 邦明(すずき くにあき)
平成7年 東京学芸大学教育学部 小学校教員養成課程理科専修卒業。平成29年 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市、埼玉県深谷市で計22年、小学校教諭として勤務。現場教員として子どもたちの指導に従事する傍ら、幼保小連携や実践教育をテーマとする研究論文を多数発表している。こども環境学会、日本子ども学会等、多くの活動にも関わる。平成29年4月からは小田原短期大学特任講師、平成30年4月からは帝京平成大学講師として、子どもの未来を支える小学校教諭、幼稚園教諭、保育士等の育成や指導に携わる。
《鈴木邦明》

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