教育業界ニュース

【クレーム対応Q&A】相手の連絡先を教えてほしい

 近頃、連絡網がない学校も多いと思います。学校からの連絡等はメールを用いて行う学校が増えています。そのメリットはいくつかあります。ただそのことによるデメリットもあります。

事例 その他
画像はイメージ
  • 画像はイメージ
 学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第34回は「連絡網がないので、相手の連絡先を教えてほしい」。

連絡網がない学校が多い


 近頃、連絡網がない学校も多いと思います。学校からの連絡等はメールを用いて行う学校が増えています。そのメリットはいくつかあります。ただそのことによるデメリットもあります。今回のテーマである「相手の連絡先を教えてほしい」等がそれにあたります。

 私が小学校の教員をしていたころ、連絡網に関してちょうど過渡期だったのだと思います。採用されたころ(約25年前)は、クラスのすべての子供の名前と電話番号の入った連絡網がありました。時を経る中で、個人情報に関する感覚が変わってきたこと、メール等の他の情報伝達ツールが出てきたこと等から、連絡網が少しずつ形を変えてきました。私が4年前まで勤めていた小学校では、連絡網のうち自分の関係する部分(5~6人分)だけを配布するという形になっていました。ただ学校からの情報発信はメールでも行われることが多かったため、その連絡網を使う機会はほとんどありませんでした。現在、連絡網を配布していないという学校も多いと思われます。

連絡網が無くなると、個人情報の漏洩が防げるが、
親同士が連絡取りづらい


 連絡網に関しては、個人情報の漏洩等が問題となりました。悪意を持った人が、言葉巧みに子供等を騙し、クラスに在籍する人の情報を聞き出すといったやり方です。私が子供のころの学校の名簿には、保護者名や住所も載せられていたように記憶しています。そういった情報が詐欺グループ等に渡り、犯罪に使われてしまうというものです。

 メール等が普及したこともあり、連絡網が無くなることは、個人情報の漏洩による犯罪の抑止という点では良いことです。ただそのことによって親同士が連絡を取りにくくなったということがあります。何も問題がない時は、お互いの連絡先を知らなくとも大きな問題にはなりません。しかし、何か問題が発生した時、相手の連絡先がわからないことは、少し不自由に感じることがあります。

 たとえば、自分の子供が相手の子供の持ち物を間違えて持って帰って来てしまった、故意ではないけれども持ち物を壊してしまった等の場合です。電話等で連絡をすることができれば、すぐに解決することができる場合も多いです。そういったことができないと、変に誤解をされてしまい、人間関係が難しいものになってしまうことがあります。また、いじめ等の場合も、親が関与していった方が良い場合もあります。問題が子供だけの問題ではなく、大人の問題でもあるということを子供に気づかせることも時には重要です。

相手方に教えても良いかという了解を取ることが大切


 そういったこともあり、学校に相手の連絡先(電話番号等)を教えてほしいという連絡があることがあります。こういった場合、きちんと相手方に教えても良いかという了解を取ることが大切です。トラブルの謝罪等の場合、連絡は早い方が良いです。そういったことを考え、相手の了解を取らず、連絡先を教えてしまった場合、後ほど、違う意味での問題になってしまうことがあります。「教師が承諾無しに個人情報を他の人に教えた」という問題です。一手間かかってしまうのですが、そういった部分は丁寧に取り組んでいくことが望まれます。「親から信頼されること」は何より大事なことです。小さなミスで信頼を損ねないように注意をしたいです。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
平成7年 東京学芸大学教育学部 小学校教員養成課程理科専修卒業。平成29年 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市、埼玉県深谷市で計22年、小学校教諭として勤務。現場教員として子どもたちの指導に従事する傍ら、幼保小連携や実践教育をテーマとする研究論文を多数発表している。こども環境学会、日本子ども学会など、多くの活動にも関わる。平成29年4月からは小田原短期大学特任講師、平成30年4月からは帝京平成大学講師として、子どもの未来を支える小学校教諭、幼稚園教諭、保育士などの育成や指導に携わる。近著に「オンライン、ソーシャルディスタンスでできる 学級あそび&授業アイスブレイク」(明治図書)がある。
《鈴木邦明》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top