日本私立学校振興・共済事業団は2021年3月30日、2020年度(令和2年度)「私立大学・短期大学教育の現状」の最新情報を公表した。私立大学が行っている取組みのうち、もっとも実施率が高かったのは「学生の心身に関する支援」、ついで「就職支援」であった。 「私立大学・短期大学教育の現状」は、各大学・短期大学が公表している「大学ポートレート(私学版)」から教育上の取組みについて取りまとめたもの。2020年度学校法人基礎調査から、2020年8月31日時点の私立大学・短期大学の教育情報データを使用した。集計校は、大学575校、短期大学283校。 教育研究活動や学生支援活動など、59種類の取組みについて実施状況を集計したところ、私立大学で実施率がもっとも高かったのは「学生の心身に関する支援」95.7%、ついで「就職支援」94.3%、「学費負担の軽減(経済的支援)」93.7%、「学費負担の軽減(学生生活の支援)」93.6%、「地域連携」90.1%。短期大学は「就職支援」が94.0%で最多だった。 一方、実施率がもっとも低かったのは、日本と外国の大学の間で学修プログラムや単位互換などの協定を結ぶことで双方の大学が必要とする教育課程を履修して異なる学位を取得できる「ダブルディグリー」。実施率は大学が15.5%、短期大学が3.2%にとどまり、いずれも実施率がもっとも低い取組みとなった。 また、表の縦軸に「学習目標」や「何を学習するのか」、横軸に「学生が到達しているレベルを示す特徴を記述した文言」を置いて学生の学習成果を評価する方法を利用した「学修ルーブリック」は2番目に低く、実施率は大学24.3%、短期大学18.0%。「飛び入学・早期卒業・長期履修」は、大学34.8%、短期大学30.4%であった。 取組実施数と入学定員充足率の関係を散布図にした結果では、「30取組以上充足率100%以上」の大学が2020年度は前年度から14校増の326校、「30取組未満充足率100%未満」の大学は前年度から4校減の36校になった。