PTAに関して教員ができることは少ない
春の時期には「PTA」のことがよく話題になります。「クラスの委員の決め方が平等でないのではないか」「加入する必要があるのか」などについてです。
PTAに関するクレームなどが学級担任の耳に入ることがあります。こういった場合、学校(教員)ができることはあまり多くありません。PTAのことは学校(教員)だけで決められないものだからです。
PTAは、P(Parent:親)、T(Teacher:教員)、A(Association:組織)の略です。親と教職員がその学校に通う子どもの学びがより良いものになるために組織されたものです。PTAの会長を含めた役員のほとんどを保護者が務めています。学校の管理職は、名誉職的な感じで役員に加わっていることが多いです。
そういった組織なので、学校の考えだけで、色々なことを変えることはできません。学校(教員)が取る具体的な対応としては、クレームの内容を本部役員(会長、副会長など)に伝えていくことでしょう。保護者からのPTAに関する苦情に対し、一緒になって悪口のようなことを言うことは絶対に避けるべきです。
私が以前勤めていた小学校では、PTAにC(Children:子ども)を入れて、「PTCA」としていました。土曜日の登校日を授業参観とし、その後にPTCAの総会、分科会などを行っていました。保護者と子どもと教員が一緒になって学校のあり方を真剣に話し合っている姿は印象的でした。
PTAの加入は任意
ところで、PTAは加入が任意の団体です。「任意加入」なので、「入らなくても良い」団体だということになります。実際そういった意見をネットなどで見かけることがあります。学校の立場としては、そういったことを耳にした場合、未加入の場合のデメリットを伝えていくと良いと思います。未加入のメリットは、保護者は簡単に理解ができます。煩わしい役員決めなどに関わらないで良いことやPTA会費などを払わないで良いことなどです。
意外と知られていないことが未加入のデメリットです。たとえば、登校班のことです。集団登校がある学校では、集団登校の登校班決めなどをPTAの地域の役員が担当していることが多いです。学校の教職員よりも保護者が近所に住んでいる子どもの状況を把握できているからです。そういったこともあり、PTAに加入しないことで、登校班での通学がスムーズにできなくなる場合があります。
また、多くの学校では卒業式や運動会の際にPTAから記念品が子どもに渡されます。私が勤務していた学校では、卒業式では卒業証書を入れる筒をPTAからの記念品として渡していました。未加入者が増えてくると何らかの対応が必要になります。記念品などの問題に関しては、未加入者から実費を払ってもらうことや学校の費用で払うことにするなどの対応が必要になります。
PTAのあり方は時代とともに変化
今後、PTAのあり方は変化があるでしょう。時代に合わせて学校の姿が変わっていくように、PTAの姿も変わっていくものなのでしょう。年度末などのタイミングで、PTAの役員と学校の関係者で、今後の方向性について議論をしていくことが良いでしょう。コロナによって社会の色々なものが変わってきています。PTAのあり方もどういったものが望ましいものなのかということを考えていくことが大切でしょう。