日本私立学校振興・共済事業団は2021年3月19日、2020年度(令和2年度)の私立大学等経常費補助金交付状況を公表した。2020年度の交付総額は3,077億7,530万9,000円。入学者選抜における不適切な事案を受け、聖マリアンナ医科大学に減額措置を講じた。 私立大学等経常費補助金は、日本私立学校振興・共済事業団が国から補助金の交付を受け、これを財源として全額、学校法人に対して設置学校の経常的経費を補助するもの。補助金には、各学校の教職員数や学生数などに所定の単価を乗じて得た基準額を教育研究条件の状況に応じ傾斜配分する「一般補助」と、教育研究に関する特色ある取組みに応じ配分する「特別補助」がある。 2020年度の交付学校数は859校(大学577校、短期大学280校、高等専門学校2校)、交付総額は3,077億7,530万9,000円。このうち、一般補助は2,805億8,254万1,000円、特別補助は271億9,276万8,000円。学校種別の交付額は、大学が2,913億3,074万2,000円、短期大学が162億2,034万5,000円、高等専門学校が2億2,422億2,000円。 交付額を1校あたりに換算すると3億5,829万5,000円となり、学校種別では大学5億490万6,000円、短期大学5,793万円、高等専門学校1億1,211万1,000円。交付額を学生1人あたりに換算すると14万3,000円となり、学校種別では大学14万3,000円、短期大学14万円9,000円、高等専門学校13万4,000円となる。 特色ある高度な研究の展開や地域社会への貢献などの改革に全学的・組織的に取り組む学校に対する支援を強化するため、「私立大学等改革総合支援事業」として大学221校、短期大学60校の計281校に対し、一般補助と特別補助による増額配分を実施した。 学校別交付額一覧によると、大学577校の経常費補助金は1位「早稲田大学」92億4,108万7,000円、2位「日本大学」90億2,613万円、3位「慶應義塾大学」82億2,204万8,000円。 一方、募集停止や未完成などを理由に交付を行わなかった学校は大学32校、短期大学26校、高等専門学校1校の計59校。 また、2法人2校は減額措置とした。このうち、聖マリアンナ医科大学は入学者選抜における不適切な事案を事由に50%を減額交付。前年度に不交付措置を講じた東京医科大学は、2020年度は75%減額交付へ措置を緩和した。 東京福祉大学・東京福祉大学短期大学部、大阪観光大学の2法人3校は、管理運営が不適正と判断し、前年度に続き、不交付措置を講じた。 日本私立学校振興・共済事業団のWebサイトでは、学校別の特別補助内訳表なども公開している。