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GIGAスクール構想、本格運用に向けチェックリストなど公開

 文部科学省は2021年3月12日、1人1台端末の積極的な利活用にあたっての留意事項を取りまとめ、新たに作成した「本格運用時チェックリスト」などとともに、全国の学校設置者に通知した。児童生徒が端末を扱う際のルール、健康面への配慮などを示している。

教育行政 文部科学省
 GIGAスクール構想の本格スタートを前に文部科学省は2021年3月12日、1人1台端末の積極的な利活用にあたっての留意事項を取りまとめ、新たに作成した「本格運用時チェックリスト」などとともに、全国の学校設置者に通知した。児童生徒が端末を扱う際のルール、健康面への配慮などを示している。

 文部科学省では、学校現場におけるICTの積極的な活用が不可欠との観点からGIGAスクール構想を推進しており、2021年4月から全国のほとんどの義務教育段階の学校で児童生徒1人1台端末と高速大容量の通信環境下での新しい学びが本格的にスタートする見込みとなっている。

 今回、各学校で1人1台端末の本格的な活用を積極的に進めていくにあたり、各学校設置者などに留意してほしい点を取りまとめた。あわせて、学校設置者などが新しい ICT環境を本格的に運用するにあたり確認しておくべき事項などについて「GIGAスクール構想 本格運用時チェックリスト」「ICTの活用にあたっての児童生徒の目の健康などに関する配慮事項」「1人1台端末の利用にあたり、保護者等との間で事前に確認・共有しておくことが望ましいおもなポイント」を作成。学校現場で活用・周知してもらおうと、3月12日付で都道府県教育委員会など、全国の学校設置者に通知した。

 1人1台端末の積極的な利活用にあたっての留意事項は、「端末の整備・活用」「個人情報保護とクラウド活用」「ICTの積極的な利活用」「デジタル教科書・教材・CBTシステムの活用等」「教師のICT活用指導力の向上」「情報モラル教育等の充実」「ICTの活用にあたっての児童生徒の健康への配慮等」「保護者や地域等に対する理解促進」「ICTの円滑な活用に向けた改善の継続」の9項目。利用してほしい補助金制度、地方自治体など学校設置者に留意してもらいたい事柄などを示している。

 「GIGAスクール構想 本格運用時チェックリスト」は、1人1台端末の運用を円滑に行うために学校設置者が取り組むことが望ましい具体的な事項をチェックリストとしてまとめたもの。「端末等を家庭に持ち帰るときのルールを明確に作成し、教職員・保護者・児童生徒に共有されているか」など、「管理・運用の基本」「クラウド利用」「ICTの利用」「研修・周知」「組織・支援体制」という5つの観点から、34のチェック項目を記載している。

 「ICTの活用にあたっての児童生徒の目の健康などに関する配慮事項」では、「目と端末の画面との距離を30cm以上離すようにすること」「長時間にわたって継続的に画面を見ないよう、30分に1回は、20秒以上、画面から目を離して、遠くを見るなどして目を休めること」など、配慮事項を明記。必要に応じて、睡眠時間の変化、眼精疲労、ドライアイや視力低下の有無やその程度など、心身の状況について児童生徒にアンケート調査を行うことも検討するよう示している。

 「1人1台端末の利用にあたり、保護者等との間で事前に確認・共有しておくことが望ましいおもなポイント」では、児童生徒が安心・安全に端末を使用するための基本的な考え方を解説。保護者などとの間で事前に確認し、共通理解を図っておくことが望ましいおもなポイントを「児童生徒が端末を扱う際のルール」「健康面への配慮」「端末・インターネットの特性と個人情報の扱い方」「トラブルが起きた場合の連絡や問合せ方法等の情報共有の仕組み」の4つに整理し、具体例を掲載している。10の先行自治体の取組みも参考資料として紹介している。
《奥山直美》

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