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NIIら「情報科学の達人」育成官民協働プログラム開始

 国立情報学研究所(NII)は2020年4月、情報処理学会(IPSJ)および情報オリンピック日本委員会(JCIOI)と共に、科学技術振興機構(JST)グローバルサイエンスキャンパス(GSC)「情報科学の達人」育成官民協働プログラムを本格的に開始した。

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「情報科学の達人」プログラム実施概要
  • 「情報科学の達人」プログラム実施概要
  • 「情報科学の達人」プログラムの未来とエコシステム構築への構想
  • 日本情報オリンピック(JOI)と国際情報オリンピック(IOI)の成績
 国立情報学研究所(NII)は2020年4月、情報処理学会(IPSJ)および情報オリンピック日本委員会(JCIOI)と共に、科学技術振興機構(JST)グローバルサイエンスキャンパス(GSC)「情報科学の達人」育成官民協働プログラムを本格的に開始した。

 「情報科学の達人」プログラムは、20代で世界のトップクラスの研究を行う情報学研究者や技術者を日本からも多数輩出することを目指して高校生・高専生を選抜し、先端的な共同研究に早期に取り組ませることでエリート教育を実施するもの。第1期生となる2020年度受講生の募集を1月14日から2月21日まで実施したところ、日本情報オリンピックの予選Aクラスの成績上位者を含め合計76名の応募があり、そこから中学生6名、高校生25名、高専生7名(2020年3月時点)の計38名を受講生として選抜した。

 受講初年度の4月~9月に実施する第1段階育成プログラムでは、JSTの戦略研究推進事業であるACT-I/ACT-Xの研究者、情報オリンピックや各種プログラムコンテストの上位経験者からなる若手研究者(メンター)陣が各受講生とグループを作り、未来の研究構想について対話・助言・指導を行う。新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策により、元々予定していた研究室訪問の代わりに「情報科学の最前線」を学ぶオンライン学習のカリキュラムを実施する。

 オンライン講習では、情報科学分野で過去10年間研究を先導してきたトップ研究者が、それぞれの研究分野の歴史、背景と最先端研究について語るほか、メンターを中心とした若手研究者がさらに専門的なトピックについて紹介する。第1段階育成プログラム終了段階では、指導研究者による評価、推薦書、および受講生の第2期に向けての研究プロポーザルなどを判断材料とし、第2段階育成プログラムに進む受講生を10名程度選抜する。

 10月から始まる第2段階育成プログラムでは、受講生自身の研究テーマに応じた日本のトップ情報学研究者の研究室で共同研究を実施する。SINETのVPN機能を利用し、受講生や受入大学、情報系トップの研究者の仮想的なグループをネットワーク上に構築し、仮想グループが安全にネットワーク上でディスカッションやデータ交換などを行える環境を提供する予定。

 第2段階育成プログラムの最終段階となる2021年3月には、受講生による成果発表ワークショップを開催する。また、情報処理学会全国大会などにおける特別セッションでも発表を行い、多くの情報学研究者に成果を披露していく。
《桑田あや》

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