教育業界ニュース

マイクロソフトが実現する「GIGAスクール構想」子どもたちの学びが変わる

 2020年2月4日、日本マイクロソフト主催の「“世界標準で学ぶ”MSソリューションで実現するGIGAスクールプロジェクト対策サミット」が紀尾井カンファレンスにて開催された。

教材・サービス 授業
「“世界標準で学ぶ”MSソリューションで実現するGIGAスクールプロジェクト対策サミット」のようす
  • 「“世界標準で学ぶ”MSソリューションで実現するGIGAスクールプロジェクト対策サミット」のようす
  • 「“世界標準で学ぶ”MSソリューションで実現するGIGAスクールプロジェクト対策サミット」で展示されていた「Surface」
  • 「“世界標準で学ぶ”MSソリューションで実現するGIGAスクールプロジェクト対策サミット」のようす
  • 日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部長 中井陽子氏
  • 文部科学省初等中等教育局 情報教育・外国語教育課長 高谷浩樹氏
  • 日本マイクロソフト 文教営業統括本部 太田泉氏
  • 「失敗しないICT環境整備」鹿児島県総合教育センター 情報教育研修課 木田博氏
  • 鹿児島県総合教育センター 情報教育研修課 木田博氏
 2020年2月4日、日本マイクロソフト主催の「“世界標準で学ぶ”MSソリューションで実現するGIGAスクールプロジェクト対策サミット」が紀尾井カンファレンスにて開催された。

 当サミットは、教育委員会等の自治体関係者およびパートナーに向けて、日本マイクロソフトが同日発表した「GIGAスクールパッケージ」の概要を説明するとともに、世界中で教育事業を手掛けてきたマイクロソフトの国内外の事例をもとに、GIGAスクール構想を今後どのように実現していくべきかのヒントを紹介するもの。

 オープニングの挨拶で、日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部長の中井陽子氏は「マイクロソフトは教育事業を世界中で30年以上にわたって続けてきました。最新の教育プラットフォームは、Microsoft 365 Education。これを提供する根底のビジョンは、子どもたちのスキルをいかに上げるかということです。

 子どもたちになぜICTのデバイスを使ってもらうのか。コミュニケーション(議論し合う力)コラボレーション(協働し合う力)キュリオシティ(好奇心)コンピュテーショナルシンキング(計算論的思考)クリエイティビティ(創造力)クリティカルシンキング(疑問を逃さない思考性)。これら大人になって必要となる力を身に付ける。デバイスを使って世界中の人とつながって、さまざまなバリューを生み出せるようになるためです。

 日本には教育環境で解決しなければならない課題がいくつかあります。『先生方の働き方をどうやってICTでより働きやすいものにしていくか』。そして『先生方がもっともっと授業にICTを使えるように、生徒たちに時間を使えるように、私達は先生方の授業を支援していく』。最後に『子どもたちの学びが先生たちと環境によって変わっていく』。この3つのソリューションはこれまでも、そしてこれからも提供し続けていきます」と熱いメッセージを伝えた。

日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部長 中井陽子氏
日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部長 中井陽子氏

 マイクロソフトでは世界各地で行われている教育改革から得た知見を「教育トランスフォーメーション」としてまとめ無料公開している。

国家意思として教育ICT環境の整備へ



 オープニングに続いて、文部科学省初等中等教育局 情報教育・外国語教育課長の高谷浩樹氏による基調講演「GIGAスクール構想の実現に向けて」が行われた。

 高谷氏は、まず日本の子どもたちが「学び」にICT機器を利用していないことや(2018年OECD/PISA調査によると日本は最下位で3%程度)、都道府県別の教育用コンピューター整備率の今年度の平均値が18.6%と一向に進まないことを示して、国が学校教育の情報化の推進に一気に向かうことになった背景を説明した。

 今回のGIGAスクール構想は、内閣官房、経済産業省、文部科学省、総務省といった関係省庁が国として学校のICT環境の整備に向けて議論して作り上げたものだという。子どもひとりひとりに最適な教育コンテンツ、情報端末、高速大容量で機密性の高い安価な通信ネットワーク、クラウドなどの整備に向けて、すべての省庁や政府全体が動いている。

 GIGAスクール構想を実現するには、まず校内通信ネットワークの整備が必須となる。クラウドやコンテンツを使えるように現在のネットワークを強化。次に児童生徒1人1台の端末を整備。補助金は公立の場合定額4.5万円で、シンプルな端末でクラウドの活用を前提にしている。また、ハードの整備が優先している状況でも、コンテンツやソフトウェアの準備、日常的に先生がICTを活用する体制の整備をバランス良く進めるという。

 自治体が導入しやすい仕組みも考えられている。どんな端末を整備したらよいかは「標準仕様」で示され、クラウドを活用する際のガイドラインの策定や先生方が使いやすいノウハウ集なども準備される。

 現在は、今年度の補正予算の執行に向けて、各自治体に整備の希望を調査中。ほぼすべての自治体が校内LANの整備に向けて主旨を理解した上で動いており、さらに1人1台端末にも大きな関心が寄せられている。その中で端末の単価4.5万円については、自治体の持ち分が発生して赤字になるのではという声も少なからず出ているという。

 高谷氏は「誤解を解きたいと思います。4.5万円の端末で十分使える。そのためには企業の皆様のご協力も必要だと思っています」と参画する企業への要望が述べられた。具体的には、自治体負担を軽減するために、端末の単価だけでなく、保守管理やさまざまな経費の見直しが求められる。さらには先生方がいかに使いやすくなるか。そして、何より子どもたちがいかに使いやすいようになるかがポイントとなる。

文部科学省初等中等教育局 情報教育・外国語教育課長 高谷浩樹氏
文部科学省初等中等教育局 情報教育・外国語教育課長 高谷浩樹氏

端末に限らずさまざまな施策パッケージでサポート



 続いて「マイクロソフトのGIGAスクール構想の対応について」説明された。文教営業統括本部の太田泉氏は、「文科省には、誰一人取り残すことのない、個別最適化された学びを実現したいという“目的”があります。他国の動きとは違って、日本の将来を見通した内容が示されているため、我々にとっても重要です。個別最適化のためには1人1IDを作って、そのデータをどこに格納するかを考えなければいけません。加えて、学び方だけではなく、働き方も同時に改革して、今先生方がおかれている状況を改善していくことが求められています。ここではすべてをパッケージにして対応していかなければならないと考えています」とGIGAスクールパッケージに至った経緯を説明した。

日本マイクロソフト 文教営業統括本部 太田泉氏
日本マイクロソフト 文教営業統括本部 太田泉氏

 GIGAスクールパッケージは「GIGAスクール対応PC」「GIGAスクール構想に対応した教育のプラットフォーム」「900万という大規模なアカウントを作るためのMDM(モバイルデバイスマネジメント)による大規模な端末展開とアカウント」「学びと働き方を同時改革するような教員研修の無償提供」「文科省のセキュリティポリシーに関するガイドラインに対応したクラウド環境Azureの提供」の5つの要素で構成されている。各要素の詳細を整理しよう。

GIGAスクール対応PC


 日本エイサー、日本HP、NEC、Dynabook、デル、富士通、マウスコンピューター、レノボジャパンの8社のデバイスパートナーと日本マイクロソフトで、未来の教育のために必要なデバイスについて検討し、今回はWi-Fiモデル11モデル、LTEモデル6モデルを発表。予算についても日本マイクロソフト全社をあげて今回のGIGAスクールをサポートする価格プログラムを作ったという。

GIGAスクール構想に対応した教育プラットフォーム


 WindowsとOffice 365を合わせて1人1台時代に最適な教育プラットフォームを作っていくことが明言された。またGIGAスクール構想に対して、特別な低価格で日本の初等中等教育機関に対して戦略的な提供を実現する。

大規模な端末展開とアカウント


 900万台900万人端末の展開、アカウント管理にIntuneで対応。USBを挿すだけで端末の設定がすべて完了する。また「GIGAスクール端末設定ガイドブック」が配布される。

教員研修の無償提供


 国の予算に含まれない教員研修を日本マイクロソフトが無償で提供。1人1台端末の考え方、学び方、教え方、働き方を教えるトレーナー養成の講座を都道府県単位で開催。無料のオンラインコンテンツをコース化して提供、マイクロソフトの教育センターにGIGA向けの研修メニューが新らに加わる。

セキュリティ


 最高裁でTeamsが採用され稼働がはじまっていることから、マイクロソフトのクラウドは十分に安心して使えるものだとの自負が示された。また「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」ハンドブックが配布される。

Microsoft 365 Education GIGA Promo(GIGA Promo)



 日本マイクロソフトは2020年3月4日、GIGAスクールパッケージに含まれる「GIGAスクール構想に対応した教育プラットフォーム」において、日本独自のライセンス「Microsoft 365 Education GIGA Promo」(GIGA Promo)を発表した。1端末あたり2,760円(2020年3月時点の参考価格)で4月より提供する予定だ。

Intune for Education:端末管理ツール


 端末・ユーザー・アプリの管理・制御を一括して行うことができ、セキュリティを担保した形での運用を実現。iOS、Mac OS、Androidも一元管理することが可能。

Office 365 ProPlus:学習用基本ツール


 利便性が高く安定したデスクトップアプリ版を提供することで、日本の将来を担う子どもたちにより良い学習環境を提供する。

Windows 10 Pro Education Upgrade:OS


 Windows 10 Pro Educationは、企業レベルのウイルス対策機能を備えたWindows Defenderを標準で搭載している。

GIGA Promo
【次ページ】国内外の事例へ
《佐久間武》

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top