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EdTech活用によるSociety5.0時代の学び、経団連が提言

 日本経済団体連合会(経団連)は2020年3月13日、「EdTechを活用したSociety 5.0時代の学び~初等中等教育を中心に~」と題した提言を公表した。現状の課題や望ましい人材育成のあり方、必要となる環境整備などをまとめている。

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日本経済団体連合会
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  • 提言「EdTechを活用したSociety 5.0時代の学び」(概要版・一部)
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 日本経済団体連合会(経団連)は2020年3月13日、「EdTechを活用したSociety 5.0時代の学び~初等中等教育を中心に~」と題した提言を公表した。現状の課題や望ましい人材育成のあり方、必要となる環境整備などをまとめている。

 経団連は現状の課題として、社会に必要とされる人材の変化により「学校教育の抜本的な転換の必要」、教員の長時間労働の深刻化により「業務の効率化」、リカレント教育の重要性の高まりから「社会人の学び直し」をあげている。これらの課題にはEdTechの活用がカギだという。

 こうした課題について経団連は、初等中等教育を含め教育の改革を求める提言を今夏にも公表する予定としているが、今回の提言はEdTechの活用に焦点をあてたもの。提言では、「EdTechは教育に技術を使うこと自体が目的ではない」「『求められる人材』を育むための『望ましい学び』を実現するための手段」と位置付け、Society 5.0時代に求められる能力・資質、望ましい学びのあり方、必要となる環境整備などをまとめている。

 求められる能力では、読み書き能力、数学的思考力、語学力に加え、課題発見・解決能力、プログラミング的思考、最低限のITスキル、協働力やコミュニケーション能力など。求められる資質では、リーダーシップや失敗をおそれずに挑戦する姿勢、変化を楽しむ力などが求められる。読み書き能力、数学的思考力、語学力といった基礎的な学力は「教科教育」、課題発見・解決能力やプログラミング的思考、リーダーシップなどの求められる能力・資質は「探究型学習」により育まれるのが望ましいとしている。

 「教科教育」は、教員による一律の講義形式の授業によっては、限られた人数の教員が多くの児童・生徒の習熟度をきめ細かに把握し、対応することには限界があると指摘。多くのEdTechを活用し効率化することで、個別最適化された学びを実現し、探究型学習などに時間を割くことが期待できる。

 「探究型学習」においては、社会課題など答えのない問題に対して、チームで取り組むことで、協働力・コミュニケーション能力を育むこと、分野横断的に知識を活用した学び(STEAM教育など)を通じて課題発見・解決能力を養うことなどが望まれる。また、AIやIT、データの活用が引き起こす倫理的な問題などもあわせて学習することも求められる。

 必要となる環境整備では、政府や学校、企業に求められることを記載。政府や学校に求められる整備では、ハード面・ソフト面や人材面、データの活用促進に向けた取組みを含めた「インフラ整備」とともに「校務支援」をあげている。

 企業に求められる整備では、「求める人材像・能力の明確化、対外的な発信、学校との対話」「学びや能力を踏まえた採用、処遇、評価」「教育関連企業における教育単元の共通化」など5つの項目について提言。「教育関連企業における教育単元の共通化」では、教育単元の分類が各企業で異なるためデータの活用が進まない面があると指摘している。

 最後には、教育を抜本的に改革するためには、EdTechの活用以外にもさまざまな施策が必要との考えを示している。Society 5.0時代に必要となる人材の育成は急務であり、政府には教育のあり方についてスピード感を持って検討し、実行に移すことを期待すると述べた。
《黄金崎綾乃》

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