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学納金値上げ予定が46.8%に「私立大学ファクトブック2026」刊行

 日本私立大学協会附置 私学高等教育研究所は2026年4月2日、3月公開分から一部訂正した4月版「私立大学ファクトブック2026―エビデンスから見た私立大学の社会的役割―」の刊行を発表した。少子化で大学経営の厳しさが増す私立大学の現状をまとめている。

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 日本私立大学協会附置 私学高等教育研究所は2026年4月2日、3月公開分から一部訂正した4月版「私立大学ファクトブック2026―エビデンスから見た私立大学の社会的役割―」の刊行を発表した。少子化で大学経営の厳しさが増す私立大学の現状をまとめている。

 「私立大学ファクトブック2026」は、日本の高等教育において大きな役割を担う私立大学について、その役割や課題を理解するため、各種指標をもとにグラフや表とともにわかりやすく解説した冊子。

 第1部では、学校数や入学定員の充足状況、補助金、施設の耐震化、国際交流、就職状況などについて、国公私立大学を比較して現状を示した。第2部では、職業分野ごとの人材供給に着目し、国家試験合格者に占める私立大学卒業生の割合などを取り上げている。第3部では、「私立大学の財務・財政に関する研究プロジェクト」による「奨学金等に関する現況調査」の抜粋を掲載した。

 第1部では、卒業生の進路や地域貢献にも焦点をあてた。多くの地域で、私立大学卒業生の県内就職率は国公立大学を上回る傾向がみられ、地域に根差した教育を通じて、地方創生や雇用を支える重要な基盤となっている実態が浮き彫りとなった。

 第2部の分析からは、専門職分野において私立大学が大きな役割を果たしていることが明らかになった。特に教育・保育分野での貢献は顕著で、幼稚園教員や保育士の養成では私立大学出身者が大半を占める。また医療・保健分野でも、社会の要請に応じて多くの人材を輩出している。

 一方、第3部では、少子化や物価高騰を背景とした厳しい経営環境が示された。2025年度には、多子世帯の所得要件撤廃などにより、全学生の11.4%が支援対象となったが、制度の複雑さから大学側の事務負担は限界に近づいている。「国の業務を大学が肩代わりしている」といった切実な声も寄せられた。また、継続審査の基準となるGPA(成績指標)が学生の実態と乖離しているとの指摘もみられた。

 学納金の改定を「検討・予定している」大学は、2022年調査の22.0%から46.8%へと倍増した。内容としては、入学金を引き下げる一方で授業料を引き上げる傾向が強く、改定を予定している大学のうち、文系学部の97.8%、理系学部の97.2%が授業料を値上げすると回答。改定時期は2026年度が最多だった。

 4月版冊子「私立大学ファクトブック2026」に掲載された各種データからは、厳しい経営環境の中でも人材育成や地域貢献を担う私立大学の姿が浮かび上がり、今後の制度設計や支援のあり方が問われている。冊子は、日本私立大学協会Webサイト「研究成果等の刊行(その他)」内で公開している。

《川端珠紀》

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