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佐世保高専、半導体教育拠点「S-PORT」新設…全51高専を牽引

 国立高等専門学校機構は、佐世保工業高等専門学校に「佐世保工業高等専門学校半導体人材育成センター(S-PORT)」を2025年10月に新設した。2026年3月17日に開所式および記念シンポジウムを開催する。

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S-PORTの意義
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 国立高等専門学校機構は、佐世保工業高等専門学校に「佐世保工業高等専門学校半導体人材育成センター(S-PORT)」を2025年10月に新設した。これにともない、2026年3月17日にアルカスSASEBOで開所式および記念シンポジウムを開催し、全国51校の国立高専を束ねる半導体教育の司令塔として本格始動する。同センターは産学官金連携により、Society 5.0を支える高度な技術者の育成を目指す。

 S-PORT(Semiconductor education Platform for Orchestrating Resources & Talents)は、高専機構が蓄積してきた半導体教育のノウハウや実験設備、産学官金連携の事例を集約し、全国へ波及させる中核拠点となる。

 同センターでは、経済産業省が試算する2030年までの深刻な人材不足(約3.5万人)に対し、全国高専のネットワークを通じて現場の課題を解決できる高度なエンジニアを育成する。次世代半導体製造装置「ミニマルファブ」を活用し、製造プロセス全体を俯瞰する「つくる」技術と、AIやロボットへの実装を見据えてデバイスを「つかう」実践知を統合。全体最適を考えられる真の即戦力を輩出する計画だ。

 具体的な取組みは、(1)産学官金連携による教材開発と指導者研修プログラムの構築、(2)産業界のニーズに応える専門技術者とアントレプレナーシップをもった人材の育成、(3)実践事例を集約・分析し全国に還元するエコシステムの構築、の3点を柱とする。学生だけでなく社会人も含めた多様な人材が交差する場として、オープンイノベーションを推進していく。

 2026年3月17日に開催される記念シンポジウムでは、半導体分野の有識者が登壇し、人材育成のあり方について議論する。基調講演には国立情報学研究所副所長の安浦寛人氏、早稲田大学教授でAIロボット協会理事長の尾形哲也氏が登壇。パネルディスカッションでは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの田中章愛氏、熊本高専教授の高倉健一郎氏を加え、日本ディープラーニング協会専務理事の岡田隆太朗氏と猪原武士センター長の進行で議論を深める。

 高専機構理事長の谷口功氏は「本センターは、高専機構が推進する高専発!『Society 5.0型未来技術人財』育成事業の一環として、全国の高専における人財育成教育の高度化を牽引する中核拠点です。各高専が培ってきた強みを共有し結びつけることで、より実践的で質の高い半導体人財育成を実現してまいります」とコメントしている。

 佐世保高専は1962年に設立された国立高専一期校。2022年度からは、熊本高専とともに半導体分野の拠点校として、日本の産業基盤を支える高度な技術者の育成に全力をあげている。

《吹野准》

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