神戸大学バリュースクール(以下、V.School)は、共感力育成プログラムの開発を行う「Empa-see(エンパシー)プロジェクト」の一環として、「共感力育成ワークショップ」を2026年1月に実施する。9月1日の「防災の日」からは、全国の中学校・高等学校・中等教育学校を対象にプログラムの参加校を募集する。
阪神・淡路大震災から30年が過ぎた今、災害の記憶の伝承が課題となっている。「Empa-seeプロジェクト」プロジェクトは、震災の映像記録を単なる「教訓」としてではなく、登場人物の感情の動きや出来事の関係性に着目して多角的に捉え直すことで、他者や社会の課題を「自分ごと」として考える「共感力」を高めることを目指すもの。
神戸大学と朝日放送グループが2023年より開始した「映像資料を活用した共感力育成に関する研究と教育プログラムの開発」という共同研究を基盤としている。神戸大学からは、国際文化学研究科の板倉史明教授、バリュースクールの鶴田宏樹教授、異分野共創型教育開発センターの鳥井新太特命助教が参画し、2025年度までの3年間でさまざまな実績を残している。
「共感力育成ワークショップ」では、阪神・淡路大震災の貴重な取材映像を教材として使用し、映像の視聴と議論を組みあわせることで、探究学習や問題解決の基盤となる力を養う。題材は、娘を亡くした父親の姿を追った約10分の映像など。参加する生徒は、映像に現れる人物の行為や出来事を付箋に書き出して関係性を可視化する「コンセプトマップ」を作成し、グループで議論する。
映像を繰り返し見ることで、登場人物の感情の変化といった細部に気付き、より深い共感へとつなげる。これまでのワークショップに参加した生徒からは、「教訓よりも震災の現実を知ることができた」「映像の細部に着目することで、より感じる部分が多くなった」といった声が寄せられているという。
9月1日の「防災の日」からは、プログラムに参加する学校の募集を開始する。対象は全国の中学校・高等学校・中等教育学校で、学校、クラス、部活動など、30人程度以上の単位で申し込むことができる。参加校の教室もしくは神戸大学内の会場で実施され、費用は無料。募集締切は12月24日で、参加相談フォームより申し込むことができる。
◆「共感力育成ワークショップ」参加校募集
募集期間:2025年9月1日(月)~12月24日(水)
対象:全国の中学校・高等学校・中等教育学校
参加費:無料
申込方法:参加相談フォームより申し込む