ソニー エンタープライズソリューション事業部は、中学校向け教育プログラム「電子マネーから学ぶ、キャッシュレスと経済のしくみ」の2025年度募集を開始した。ソニーは、非接触ICカード技術FeliCaを活用したSuicaサービスを提供する東日本旅客鉄道(JR東日本)と共同で講師を派遣し、首都圏の中学校を対象に無償で授業を実施する。
社会のデジタル化や感染症対策を背景に、キャッシュレス決済の多様化とその活用の場が急速に広がっている。同プログラムは、子供たちがキャッシュレス決済の意義を理解し、金銭管理の知識と判断力を身に付け、正しく活用できるようになることを目指す。
これまでの4年間で、累計38校、約3,700名の生徒がプログラムを受講している。授業では、2021年度から全面実施された中学校新学習指導要領(技術・家庭科)に基づいたオリジナル教材を用いる。キャッシュレスが推進されている背景や普及することで、社会や私たちの生活がどのように変化するかを学ぶ。
学習のポイントとして、身の回りにある決済方法について整理し、キャッシュレス決済でお金のやりとりがどのように行われているかを学習する。グループワークでは、消費者と導入者の目線で多角的にキャッシュレス決済のメリットを考える。
また、Suicaに使用されているFeliCaの技術には、中学2年生の理科で学習する「電磁誘導」が使われている。学校で学んだことが日常生活に生かされていることを実感できる。
さらに、講師からは仕事のやりがいと魅力、働くことの喜びなどを伝え、将来のキャリア形成をサポートする。
授業の対象は中学1年生~3年生、教科は技術家庭科や社会科など、時間は50分×2コマ(100分)、費用は無料。対象地域は首都圏(東京都・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県)。締切りは2025年5月30日午後5時。募集状況については、企業教育研究会のWebサイトで確認できる。
ソニーが開発した非接触ICカード技術FeliCaは、電子マネーや交通系ICカード、アクセスコントロール兼用の社員証など、高いセキュリティーと性能が重視される市場で広く普及している。これまで約18億400万個のカード向けICチップおよびモバイルFeliCa ICチップを出荷している(2025年3月末時点)。