京都大学は2025年4月28日、産学連携領域においてシンガポール国立大学(NUS)と連携協定を締結したことを発表した。両大学は今後、大学発スタートアップ創出の強化やスタートアップへのインターン派遣、アントレプレナーシップ教育コースの相互活用などの施策を協力して行うことになる。
連携協定の調印式は3月26日、京都大学で開催。NUSからTan Eng Chye学長やNUSで産学連携活動を所管するNUS EnterpriseのSien Tan本部長などが出席し、京都大学の湊長博総長、室田浩司副理事(社会連携・イノベーション推進担当)・成長戦略本部長と懇談を行った。数学者であるTan学長は1990年代初頭に、京都大学の数理解析研究所に客員研究員として在籍していたこともあり、湊総長との懇談は予定を超えて約1時間に及んだ。
Tan学長は「NUSはかなり前から、教育、研究だけでなく、研究成果の実用化にも力を入れてきた。特にコンピュータサイエンス、メディカルサイエンス、素材・半導体の3つの分野を得意としている」と説明した。これに対し、湊総長は「メディカルサイエンスは本学がもっとも得意とする分野。中でもがんや免疫における研究レベルは世界でもトップクラスと自負している」と応じた。
懇談の最後には、この連携における目標について「グローバルで活躍できるスタートアップを誕生させる」として意見が一致したという。