教育業界ニュース

高校ICT活用調査、生成AI利用状況も分析

 教育出版の旺文社は、全国の高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態についてアンケート調査を実施し、結果を公表した。9回目となる今回の調査では、「生成AIの利用状況」についても新たに設問を設けた。

事例 活用例
高等学校における生徒用ICT端末の配備状況
  • 高等学校における生徒用ICT端末の配備状況
  • 導入している生徒用ICT端末の種類
  • ネットワーク環境の整備状況
  • 生徒用ICT端末活用についての課題
  • 導入した生徒用ICT端末の効果的な活用について
  • ICT活用の必要性を感じるポイント
  • AI技術・ツールの活用

 教育出版の旺文社は、全国の高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態についてアンケート調査を実施し、結果を公表した。9回目となる今回の調査では、全国661校の高等学校から回答を集計し、「生成AIの利用状況」についても新たに設問を設けた。

 調査の目的は、高等学校現場におけるICT機器の導入およびICT関連サービスの活用状況を把握し、導入拡大・継続運用のための課題や今後必要とされるサービス内容を明らかにすることにある。調査対象は旺文社独自リストに基づく全国の国公私立高等学校5,004校で、中等教育学校を含むが、高等専門学校・高等専修学校は除外されている。調査はアンケートDMを送付し、Webページで回答を受け付けた。調査時期は2024年12月上旬から2025年1月中旬で、結果は2025年2月13日に発表された。

 調査結果によると、高等学校での「1人1台」端末利用が95.3%に達し、端末の種類では「タブレット型」が82.6%と高い支持を得ている。端末の費用負担については、約4割が個人費用負担で指定端末を調達するBYAD方式を採用しており、家庭の負担が全体の約6割にのぼることがわかった。校内の無線ネットワーク整備も進み、「どこでも使用できる」との回答が半数を超えたが、安定したネットワーク環境の整備を課題とする声も多い。

 ICT活用の手応えを感じる教員が増える一方で、デジタル技術の必要性を感じる場面が減少していることも明らかになった。特に「映像授業・動画視聴」や「オンライン授業」などの用途が減少し、対面での指導やコミュニケーションを重視する“リアル回帰”の傾向が見られる。

 生成AIの利用については、約3割が「十分・まあまあ活用できている」と回答。活用事例としては、「授業の進め方についてアイディアを聞く」や「文章の校正をさせる」などがあげられた。しかし、利用には申請が必要であったり、どのように活用すればよいかわからなかったりといった課題も浮上している。

 旺文社は、今後も学校向けサービスやセミナーを通じて、ICT活用の成功事例の情報発信や議論の場の提供を推進していく方針だ。

《荒俣れい》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top