京都市教育委員会は2025年2月7日、京都市立学校教員採用選考試験において、採用予定者数を大幅に増加させることを発表した。また、京都市立学校園で常勤講師として勤務している者に対する加点制度の新設や、大学3回生等を対象としたJUMP UP特別選考内に3つの新コース設置などの変更点を公表した。
今回の発表では、小学校、中学校、総合支援学校の採用予定者数を大幅に増やすことが明らかにされた。これは、国の産休・育休の代替者確保に向けた制度変更や中学校35人学級への定数改善を踏まえたものである。さらに、高等学校などの他の校種についても増加を検討しており、詳細は3月上旬に公表予定。
加えて、第1次試験における加点制度の充実も発表された。新たに加点対象として、介護福祉士、看護師、教育情報化コーディネータ検定試験、ICT支援員能力認定試験、司書教諭、登録日本語教員、社会教育士が追加される。これにより、幅広い専門知識を持つ人材の採用が可能となり、教育の多様化が図られる。
また、京都市立学校園で常勤講師として勤務している者に対する加点制度も新設される。直近2年間、常勤講師として勤務し、出願時点でも在職している者には、第1次試験で5点が加点される。この制度は、従来の「常勤講師・第1次試験の一部免除」と併用可能である。
さらに、理数工系制度の対象区分に「中学校(技術)」が追加されることも発表された。これにより、中学校(数学・理科)、高等学校(数学・理科・工業)を対象とする制度に「中学校(技術)」が加わり、理数工系の教育を強化する狙いがある。
「高等学校 地理歴史」および「高等学校 公民」の試験区分も共通化され、新たに「高等学校 地理歴史・公民」として実施される。この共通区分化により、受験資格や専門筆記試験の内容が変更される。具体的には、普通免許状をいずれも所有することが受験資格となり、専門筆記試験では「高等学校 地理歴史・公民」に加え、「中学校社会」の専門筆記を受験することとなる。
最後に、大学3回生等を対象としたJUMP UP特別選考内に3つの新コースが設けられる。これにより、大学3回生等の受験者向けのコース、前年度の3回生受験で合格した者向けのコース、一部合格者向けのコースが新設され、受験者の多様なニーズに応える体制が整えられる。
これらの変更により、京都市の教員採用試験は、より多様な人材を受け入れる体制を整え、教育の質向上を目指すこととなる。詳細な募集人数や試験内容については、3月上旬に発表される実施要項で明らかにされる予定である。