明日香は2025年1月6日から7日にかけて、保育園におけるICT活用に関する定点調査を実施した。調査結果によると、8割以上の保育園がICTを活用してデータの分析や振り返りを行っており、運営改善や保育の質向上に役立てていることがわかった。
この調査は、IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー」の企画によるインターネット調査で、保育園でICT関連業務に関わる104名が回答した。2022年版の同調査と比較して、ICTの活用が進展していることが明らかになった。
調査結果によると、保育園で導入されているICTの中で「園児台帳の作成・管理」が57.7%ともっとも多く、2022年と比較して5.6ポイント増加した。また、ICTを活用して収集したデータの種類では「子供の食物アレルギー」が55.8%で最多となり、「子供の健康状態」は48.1%と2022年より18.6ポイント減少した。
さらに、収集したデータを分析や振り返りに活用する保育園は81.8%に達し、2022年比で9.3ポイント上昇した。データを「運営改善や保育の質向上」に活用する保育園は88.5%に達し、14.9ポイント増加している。
今後も「子供の生活リズム」のデータをほしいと考える保育園は約7割で、2022年より16.3ポイント高い結果となった。これにより、保育園がデータを活用して子供の生活リズムを把握し、保育の質を向上させることが期待されている。
一方で、ICT導入における課題として「職員の理解・協力が得られない」が50.0%、「導入・運用コストが高い」が44.2%と上位にあがった。これらの課題を解決するためには、職員の理解を深める取組みやコスト削減策が求められている。
「子ねくとラボ」所長の末廣剛氏は、ICTの活用が保育の質向上に寄与しているとし、今後はAIによる感情分析や行動分析ツールの導入が保育者の考察力向上に役立つだろうと述べた。また、保育分野外の企業との共創が「こどもまんなか社会」の実現に向けて重要であると指摘している。
今回の調査結果は、保育園におけるICT活用の現状と課題を浮き彫りにした。保育の質向上と業務効率化を図るためには、現場での課題解決が不可欠であり、保育業界全体のデジタルトランスフォーメーションを推進する取組みが求められている。