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学校外の専門家×オンライン部活動プラットフォーム「コーチクエスト」

 関西大学人間健康学部神谷拓教授は、STEAM Sports Laboratoryと連携し、部活動のオンラインプラットフォーム「コーチクエスト」を開発した。学校外の専門家とオンラインの力で行う、新しい部活動の形態を提供する。

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「コーチクエスト」イメージ図
  • 「コーチクエスト」イメージ図
  • 神谷拓教授

 関西大学人間健康学部神谷拓教授は、STEAM Sports Laboratoryと連携し、部活動のオンラインプラットフォーム「コーチクエスト」を開発した。学校外の専門家とオンラインの力で行う、新しい部活動の形態を提供する。

 日本の「部活動」は、生徒の社会性や主体的な課題解決の力をつけるうえで重要な役割を果たしていると評価されており、OECD(経済協力開発機構)は、「教師の働き方改革」を進める一方で、部活動のような「日本の強み」を失うことがないように求めている。

 一方、多くの教師が長時間の部活動指導や管理業務に追われ、過労やストレスを抱えている。文科省では部活動の地域移行や、学校と地域の連携を進めているものの、地域に適切な施設や代替の専門家がいない自治体も多いのが現状だという。

 このような中、今回開発された「コーチクエスト」は、学校外の専門家の知識とオンライン技術を活用し、新しい部活動の形を提供するプラットフォーム。専門家によるトレーニングや戦略、技能の向上を図るためのビデオコンテンツを「オンデマンド教材」として提供するため、動画を通して好きな時間に学習でき、スキルアップを目指すことができる。また、特定の時間にオンラインで実施されるコーチングセッションに参加することで、リアルタイムでのフィードバックを受けることも可能だ。

 スケジュール管理、目標・行動計画管理、部内コミュニケーションなど、生徒が自ら学び、部活動を運営するためのコンテンツも用意。活動記録や振り返りをプラットフォームに記録することで、自己管理能力や問題解決能力を養えるという。活動記録は入試・面接・内申書・調査書に活用できるので、生徒の将来と教師の負担軽減の双方にメリットが生まれる。

 開発をした神谷教授は、「学校外の人材の活用やオンライン・オンデマンドのサポートを通じて、部活動の質を向上させることが目標。現場の先生たちの負担を少しでも軽減できるような仕組みを作りつつ、これまでの部活動で重視されてきた生徒の主体性のクオリティーを高めたい」とコメント。生徒と教師の双方にとって有益なツールとして、今後の部活動の新しいスタンダードとなることを目指すという。

《木村 薫》

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