Legalscapeは2023年6月12日、法務で必要な関連法令・判例などの法情報を収集するリーガルリサーチに特化した対話AIを開発したとを発表した。司法試験短答式の一部領域では正答率78.6%と、例年の合格正答率を大きく上回る精度を達成したという。
「リーガルリサーチAI」は、信頼のおける法律文献に依拠して回答させる大規模言語モデル(LLM)GPT-4ベースのシステム。大手法律事務所である森・濱田松本法律事務所との意見交換、協議、改善を経て、現段階で司法試験の短答式試験の一部領域において78.6%の正答率を記録。ChatGPTの35.7%や、例年の合格正答率である約60%を大きく上回ったという。
また、LLMがそれらしい嘘をついてしまう問題(通称、hallucination問題)には、法律文献に依拠して回答させる方法を用い対応。研究開発は、東京大学大学院 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻で自然言語処理を研究してきた最高技術責任者の城戸祐亮氏を中心とするチームが担当している。
Legalscapeは現在、他の法分野の法律書籍や法律書籍以外の文献の追加を行うなど、企業法務を中心としたさまざまな法分野への拡充を目指し、さらなる取組みを開始。引き続き、森・濱田松本法律事務所との間で、実務における試験利用の拡大、実務利用視点のフィードバックなどの協働を行い、これらを通じてシステムに改良を加えることで、早期の製品化を目指すとしている。