教育業界ニュース

学校施設の水害対策「手引」公表…文科省

 文部科学省は2023年5月30日、学校施設の水害対策の基本的な考え方や検討手順等を示した「手引」を取りまとめ公表した。ハザード情報の他、学校ごとの脆弱性確認や浸水対策の優先度検討についてのポイントが提言されている。

教育行政 文部科学省
水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進のための手引(概要)
  • 水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進のための手引(概要)
  • 水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進のための手引(概要)
  • 水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進のための手引(概要)

 文部科学省は2023年5月30日、学校施設の水害対策の基本的な考え方や検討手順等を示した「手引」を取りまとめ公表した。ハザード情報の他、学校ごとの脆弱性確認や浸水対策の優先度検討についてのポイントが提言されている。

 近年の頻発する豪雨等の水害では、学校施設にも大きな被害があり、学校を含めた流域に関わるすべての関係者による治水対策の取組みが必要となっている。一方、文部科学省が2021年6月に実施した調査によると、浸水想定区域に立地し、要配慮者利用施設として位置づけられた公立学校のうち、浸水対策等を実施している学校は約15%であることが明らかとなっている。

 このような背景から、文部科学省は5月30日開催の「学校施設等の防災・減災対策の推進に関する調査研究協力者会議」において、「水害リスクを踏まえた学校施設の水害対策の推進のための手引~子供の安全確保と学校教育活動の早期再開のための靱(しな)やかな学校施設を目指して~」を作成した。

 おもなポイントは、「ハザード情報の整理」「学校ごとの脆弱性の確認」「浸水対策とその優先度の検討」の3点。ハード面の対策例としては、止水板の設置、受変電設備・備蓄倉庫のかさ上げ、職員室等の上階移設。ソフト面では、気象情報による臨時休校等の措置、上階避難の設定、排水溝の清掃等について紹介している。

 今後、文部科学省では学校設置者に対し手引を周知し、水害対策(ハード、ソフト)の検討を依頼。あわせて、関係省庁と連名で、治水担当・防災部局等の各所管部署に対し、学校設置者との連携体制の強化を求める。また引き続き、浸水対策への財政支援等、学校設置者の取組みを支援するとしている。

《川端珠紀》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top