埼玉県教育委員会は2023年5月19日、教職員による不祥事が後を絶たない現状を受け、不祥事根絶に向けた教育長メッセージを県民へ発表した。不祥事根絶アクションプログラム等を活用し、教育委員会をあげて不祥事の根絶に努めるとしている。
埼玉県では、2018年7月に度重なる教職員の不祥事を受け、不祥事根絶対策を網羅的、体系的に整理した「不祥事根絶アクションプログラム」を策定。2021年2月には、教職員に効果的な研修を実施するための研修プログラムを策定し、教職員による不祥事の根絶を目指してきた。
一方、2022年度埼玉県が、教職員に対し懲戒処分を行った件数は29件。このうち、生徒に対するわいせつ行為による免職処分が3件あり、いまだ根絶には至っていない。
埼玉県の高田直芳教育長は今回、過去の不祥事について、あらためて不祥事に至るまでの経過や背景等をしっかりと分析するとともに、「不祥事防止研修プログラム」を活用した教職員の研修等、継続した取組みをより一層強化するとのメッセージを県民に向け発表した。
この中で、特に「性暴力」は、児童生徒の尊厳と権利を著しく侵害し、生涯にわたって回復し難い心の傷を与えるもので「決して許されることではない」と強調。 教職員ひとりひとりがあらためて自分の仕事に対する使命や誇りを再認識し、不祥事を「起こさない」「起こさせない」という強い気持ちをもつことで、これからの未来を創る子供たちが活躍できる社会を目指し成長を支えていくとしている。
同日、「不祥事根絶アクションプログラム」の改訂版を公表。今後は、7つの大きな柱「不祥事の分析」「教員養成、採用、人事異動の各段階における不祥事根絶の取組」「研修の充実」「学校や教職員に対する支援」「教職員が働きやすい学校づくり」「コンプライアンスの推進および『懲戒処分の基準』の明確化の検討」「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律に基づく適切な対応」と36の取組みで、教育委員会一丸となって不祥事の根絶に努めるとしている。