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外国人の子供8,183人「不就学」と推計…文科省調査

 国内の小中学校や外国人学校等に通っていない「不就学」の可能性がある外国人の子供は2022年5月時点で計8,183人であることが、文部科学省が2023年4月22日に公表した調査結果から明らかとなった。前回調査より1,863人(18.5%)減少がみられた。

教育行政 文部科学省
学齢相当の外国人の子供の就学状況の把握状況(全体)
  • 学齢相当の外国人の子供の就学状況の把握状況(全体)
  • 都道府県別(指定都市を含む)人数
  • 就学案内の送付状況(全体)
  • 学齢相当の外国人の子供に係る学齢簿の作成状況(全体)
  • 学齢相当の外国人の子供に係る学齢簿の作成状況

 国内の小中学校や外国人学校等に通っていない「不就学」の可能性がある外国人の子供は2022年5月時点で計8,183人であることが、文部科学省が2023年4月22日に公表した調査結果から明らかとなった。前回調査より1,863人(18.5%)減少がみられた。

 「外国人の子供の就学状況等調査」は、2019年度に初めて全国的な調査を実施。3回目となる調査を2022年5月1日現在で行い、今回、調査結果をとりまとめ公表した。調査対象は1,741の市町村教育委員会(特別区を含む)の住民基本台帳に登録されている外国籍の子供「小学生担当」9万6,214人、「中学生担当」4万709人の計13万6,923人。

 学齢相当の外国人の子供の就学状況をみると、「義務教育諸学校」11万6,288人、「外国人学校」9,180人で、計12万5,468人が就学している一方、学校に通っていない「不就学」は778人だった。都道府県別(指定都市を含む)の不就学数は、「千葉県」118人がもっとも多く、「静岡県」106人、「愛知県」90人、「福岡県」71人が続いた。

 さらに、不在や連絡不通により就学状況が把握できなかった者6,675人と、教育委員会が就学状況確認の対象としていないため、就学状況が不明等を含むと考えられる「住民基本台帳の人数との差」が730人あった。

 これらから不就学の可能性があると考えられる外国人の子供の数は、「不就学」と「就学状況把握できず」「住民基本台帳の人数との差」をあわせて、8,183人と推計。前回調査より1,863人(18.5%)減少していることがわかった。

 学齢相当の外国人の子供がいる地方公共団体数は、「1人以上」が前回調査比1.5%増の1,240(71.2%)団体、「10人以上」が前回調査比0.7%増の657団体(38.4%)。このうち、すべての外国人の子供について「学齢簿」を作成している地方公共団体数は、86.4%にあたる1,505団体で、前回調査時より1.3%増加がみられた。

 就学案内を外国人の子供がいる家庭に送付している地方公共団体数は、「小学校新入学相当の年齢の子供に送付」1,320団体(75.8%)、「中学校新入学相当の年齢の子供に送付」1,012団体(58.1%)。一方、就学案内を送付していない地方公共団体は24.2%にあたる421団体で、前回調査より1団体増加していた。

《川端珠紀》

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