東京薬科大学とがん研究会が設置するがん研究会有明病院は、相互の教育研究資源の有効活用を図り、研究の発展と人材育成、大学の活性化を目的に2023年1月25日付で連携協定を締結した。同大学では連携大学院を設置し、有明病院に勤務する薬剤師の人材養成を加速させる。
協定式では、がん研有明病院病院長の佐野武氏と、東京薬科大学学長の平塚明氏が、「研究の発展」「人材育成の推進」「職場および大学の活性化」の3項目について協力することで合意した。
がん研究会は、1908年(明治41年)、日本初のがん専門機関として発足して以来、100年以上にわたりがん医療において主導的な役割を果たし、特に「がん研有明病院」では、先端的ながん医療の開発、AIホスピタルへの取組み、チーム医療に基づくトータルケアを推進し、研究所と連携した新しい医療の創造を実現する。
一方、東京薬科大学は、私立の薬科大では創立140余年と日本でもっとも長い歴史があり、明治時代より4万2,000人を超える卒業生を輩出。特に薬剤師教育が6年制となり、臨床実践能力と研究能力を備えた薬剤師を数多く育成することを薬学部の目標に掲げる。
両者は研究において連携する他、連携大学院を設置。有明病院薬剤部に勤務する薬剤師は、東京薬科大学の大学院薬学研究科博士課程に進学し、社会人学生として博士号の取得を目指す。また、有明病院の職員は、連携教員として同大学の薬剤師教育や大学院生の研究指導に携わる。
今回の協定により両者は、臨床薬学教育の充実と、人的交流を介した大学活性化を図り、将来的には薬学部高学年次生の教育・研究指導に関わる体制の構築、生命科学部の関連研究室との共同研究にも期待を寄せている。