生後6か月以上4歳以下の乳幼児に対する新型コロナワクチン接種が、予防接種実施規則等の一部改正により、2022年10月24日から可能になった。これを受けて文部科学省は同日、全国の教育委員会等に向けて、接種を希望する保護者が必要な情報を取得できるよう周知への協力を求める事務連絡を出した。
生後6か月~4歳に用いるのは、ファイザー社製の乳幼児用ワクチン。通常は、3週間の間隔をおいて2回、その後8週間以上の間隔をおいて1回、計3回接種する。接種量は1回0.2ml。接種する有効成分の量は、12歳以上の10分の1。ワクチン接種は公費対象となるため、希望者は無料で接種できる。
接種には「努力義務」が適用された。ただし、接種は強制ではなく、保護者や本人が納得したうえで接種を判断する。厚生労働省は、生後6か月から4歳の乳幼児に対して海外の複数国で行われた臨床試験において、ワクチンを受けることで新型コロナに感染しても症状が出にくくなる発症予防効果が73.2%あったと説明している。
文部科学省が10月24日に発出した事務連絡では、新型コロナワクチンの接種にあたっては、ワクチンの効果や副反応、接種に関する相談先の情報等について十分に周知されることが重要と指摘。厚生労働省が提供する生後6か月から4歳の子供の保護者に向けた「新型コロナワクチン接種についてのお知らせ」について、地域の実情に応じ、幼稚園、幼保連携型認定こども園、保育所、地域型保育事業所、社会教育施設等の保護者が訪れやすい場所に据え置く等、希望する保護者が必要な情報を取得できるよう協力を求めている。
幼児に対する新型コロナワクチン接種の考え方や留意点等については、9月6日付の事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の幼児児童生徒に対する実施についての学校等における考え方および留意点等について」の内容を踏まえて対応するよう依頼している。