国立大学協会は2022年10月14日、地域中核・特色ある研究大学の強みや特色を伸ばすための取組みについて提言を発表した。大学の研究力と国際競争力を強化するため、研究環境整備支援の抜本的拡充等、7つを提言している。
わが国の研究力や国際競争力の低下が叫ばれて久しい中、政府は大学研究力強化のため、10兆円規模の大学ファンド制度を創設するとともに、地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ(以下、総合振興パッケージ)を設けるとしている。
国立大学協会は、総合振興パッケージが大学ファンド制度とともに、わが国全体の研究力および国際競争力の飛躍的強化と社会課題の解決や地方創生につながると確信。一層の充実に向け、総合振興パッケージの制度設計における基本的考え方を整理し、国立大学総体として当面必要と考えられる具体的な支援方策について提言を取りまとめた。
総合振興パッケージに求める提言は、基本的考え方として「財政支援規模拡大と安定的措置の確立」「各大学の主体性が活きる制度の構築」「支援対象を幅広く柔軟に選定する制度の構築」「他機関の活用と連携を加速させる支援制度の構築と人材育成」、具体的支援方策として「研究環境整備支援の抜本的拡充」「さまざまな協働への支援の抜本的拡充」「地域連携支援の抜本的拡充」の計7つ。
このうち、大学自身の研究力強化のために必要と考える支援方策については、研究人材の獲得・育成、研究環境の整備、研究者の研究時間確保のための支援を抜本的に拡充し、大学の自律的成長サイクルを確立するための支援とすべきと提言。大学間連携等による組織を超えた研究や成果の社会実装、地域産学官金の連携強化、地域や社会と大学をつなぐ人材の育成と活用等に対する支援の抜本的拡充も求めている。また、具体的支援策の実施とあわせて、関連する規制の緩和も行うべきとしている。