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東京書籍、教育課題アドバイザー制度の運用廃止…報告書公開

 東京書籍は2022年6月17日、「教育課題アドバイザー制度」に本来の趣旨からの逸脱を疑わせる事案が発生したことに対する特別調査委員会の調査結果をWebサイトに掲載。すでに廃止の措置をとっている同制度は引き続き廃止し、再発防止に向けた対策等を掲載している。

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 東京書籍は2022年6月17日、「教育課題アドバイザー制度」に本来の趣旨からの逸脱を疑わせる事案が発生したことに対する特別調査委員会の調査結果をWebサイトに掲載。すでに廃止の措置をとっている同制度は引き続き廃止し、再発防止に向けた対策等を掲載している。

 東京書籍は、2017年4月より、教育専門家(退職教員等含む)等を「教育課題アドバイザー」として任命し、各地域の教育課題についての情報や見解を聴取してその内容を商品・サービスの企画や内容改善に生かすことを想定した「教育課題アドバイザー制度」を開始。全国で300~400名程度を任用していた。

 この制度について、2021年9月時点で、一部、教科書採択に関わる情報提供をアドバイザーにお願いする等、制度の本来の趣旨からの逸脱を疑わせる事案が報告されたことを受け、東京書籍は11月30日の臨時取締役会において「教育課題アドバイザー制度」の廃止を決定。あわせて、特別調査委員会を設置し、制度に関する調査や再発防止策の提言等を委嘱。6月7日付で調査報告書を受領したことから、その概要についてWebサイト上に掲載した。

 調査の結果、「教育課題アドバイザー制度」の制度設計や運用には結果的に法的な問題はなく、教科書採択に影響を与えた実態や過当な宣伝活動が行われた実態、不当な利益供与に該当する実態もなかったという。

 一方で、制度創設に際し、取締役会決議を経ず親会社(凸版印刷)に報告しなかったこと。制度設計当時、文部科学省や教科書協会に公正確保通知や教科書発行者行動規範の解釈について確認することなく、社内の法務担当部門等に問合せを行うこともなく、文言解釈上問題はないと考えて制度を設計したこと。教育課題アドバイザーに対してどのような行為を行ってよいか、どのような行為は行えないかといった規範を示す内規等を整備せず、運用面は支社の裁量に任せていたこと。といった点について、ガバナンスや内部統制等の観点から、手続きと運用面には不適切な点があり、適切さを欠くと指摘している。

 特別調査委員会では、調査結果と制度に疑義が示された原因を踏まえ、再発防止策として「ガバナンス改革」や「内部統制システムの再構築」「自社の情報収集活動のあり方の見直しおよび教科書業界全体の変革」等を提言。

 東京書籍はこれらの報告書を受け、「教育課題アドバイザー制度」は引き続き廃止するとしたうえで、「公教育に携わる企業として深く反省し、さらなるガバナンスの強化と健全な経営の持続に努めてまいります」とした。また、今後の情報収集活動のあり方については、疑義が生じた今回の制度のような情報収集活動を見直し、対価をともなう情報収集活動は行わない等、より明快なルールを策定し教育界と適切にコミュニケーションを取りながら、よりよい教科書・教材・コンテンツ作りを目指していくとしている。

 さらに、検討結果は教科書協会を通じて他の教科書発行会社にも紹介し、広く議論する場を構築する等、教科書業界全体が一丸となった変革の契機を作ることを率先垂範して進めていくとしている。

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《畑山望》

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