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【クレーム対応Q&A】健康観察シートをネットで提出したい

 学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?今回のテーマは「体温や体調等の健康観察シートは紙ではなくアプリやWebフォームで提出したい」。

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 学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第80回のテーマは「体温や体調等の健康観察シートは紙ではなくアプリやWebフォームで提出したい」。

 新年度が始まりしばらく経ちました。年度当初の事務手続き等に関して、2022年度は2021年度と比べ、親にとって取り組みやすくなった学校が多かったようです。GIGAスクール構想により、学校教育活動の多くの部分でタブレット/PC等を用いるようになりました。それに伴い、学習だけでなく「事務」と呼ばれる部分においても、ICTを用いる形に変わってきている学校が多くなっています。

ICT活用で便利に


 今回のテーマである「体温や体調等の健康観察シートは紙ではなくアプリやWebフォームで提出したい」という問い合わせ(要望)を受けている学校は、学校運営に関して色々な点で考える必要があるのではと私は思っています。以前テーマにした「欠席連絡」や今回の「健康観察シート」は、ICTを活用することで格段に便利になります。その仕組みは、親にとっても、子供にとっても、学校(教師)にとっても便利なものです。

 「欠席連絡」や「健康観察シート」は、ICTを活用することと非常に相性が良いです。スマホ等に入力する方法になることで、親の朝の負担が減ります。学校(教師)としては把握がしやすくなります。職員室でも、教室でも、サイトにアクセスをすれば、一目で状況を把握することができます。紙のカードのチェックは手間のかかるものです。アプリによっては、定められた時間(朝の登校時)までに入力がない場合は、メール等によって催促することができるものもあります。

 これまで説明したように「健康観察シート」でICTを活用することは、親にとっても、子供にとっても、学校(教師)にとってもプラスであるものです。紙からデジタルに取組み方を変更することも、それほど難しいことではありません。そういった状況であるのに、それらを活用していない学校は、学校運営上、何らかの問題点があるのではと思わずにいられません。授業におけるICTの活用においても同様なのですが、取組みに否定的な教職員がいます。ネガティブな理由を挙げ「これまで通り」で取り組んでいくことを望む人たちです。教職員の中で声の大きい人や管理職が否定的な意見を持っていると学校内での取組みもそういった意見に大きく影響されます。

 教員は学校以外のことはあまり知らないことが多いです。学校におけるICT活用に否定的な学校(教員)は、「世間知らず」なまま、時代から置いていかれてしまうような印象を受けます。その点、親はさまざまなつながりから学校以外のことや近隣の学校の情報をたくさん入手しています。親からの真っ当な要望に対して、学校は真摯に受け止め、対応していくことが望まれます。令和の時代になっているのに、昭和的な感覚で対応することはやめていきたいです。学校も社会の変化と同様に適切に変化(進化)をしていきたいです。

 本企画では、読者の皆さまからの質問を受け付けています。下記のボタンをクリックして表示されるフォームより送信ください。実際に学校へ寄せられた相談の他、保護者が学校へ伝えた相談等、鈴木先生に対応方法を聞いてみたい相談事例を募集します。
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《鈴木邦明》

鈴木邦明

帝京平成大学 人文社会学部児童学科 准教授。1971年神奈川県平塚市生まれ。1995年東京学芸大学教育学部卒業。2017年放送大学大学院文化科学研究科修了。神奈川県横浜市と埼玉県深谷市の公立小学校に計22年間勤務。2018年からは帝京平成大学において教員養成に携わっている。「学校と家庭をつなぐ」をテーマに保護者向けにも積極的に情報を発信している。

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