教育業界ニュース

さいたま市はハイブリッド授業始動…子がオンライン授業を受けてみて感じたこと

 わが子は、ハイブリッド授業を実施するさいたま市内の小学校に通う児童。オンライン授業に参加してみて気づいたことをレポートする。

事例 その他
画像はイメージ
  • 画像はイメージ
 2021年8月26日、さいたま市の市立の学校は始業式を迎えた。さかのぼること2日前の24日には市立の学校に通う保護者宛に「さいたま市SAM」(さいたま市学校安心安全メール=さいたま市教育委員会からの一斉メールシステム)で、9月10日までの「ハイブリッド授業実施について」のお知らせメールが、さいたま市教育委員会教育長の細田眞由美氏の名前で配信された。

 わが子は市内の小学校に通う児童だ。さいたま市は実はワクチン接種が進んでいない自治体で、2021年8月末時点で、30代40代の親世代への接種の順番は未だ回ってきていない。そのうえ、埼玉県は首都圏の中でも東京、神奈川に次いで感染者数の多い自治体ということもあって、保護者である私たち夫婦だけでなく、ワクチン接種年齢に満たない10歳のわが子も不安を感じながら新学期を迎えることになった。

 そうした中での「ハイブリッド授業実施」の案内。「友達には会いたいけれど、感染は怖いから授業は家で受けたい」という子の意思を汲んで、始業式は登校、その後は10日までオンラインにて授業に参加する意を、25日に実施されたGoogleフォームでの意向確認アンケートで回答した。

子供はそれほど違和感なく参加



 さいたま市は前年の全国一斉休校の際、子供たちの学びを止めないために市教育委員会が中心となり授業動画(さいたま市Web学習コンテンツ「スタディエッセンス」)を作成し配信。プリントでの課題などと合わせ試行錯誤しながらの施策を行っていたが、どちらかというとアナログ寄りな内容であり、1動画も10~15分程度で終了してしまうものだったため、子ども自身も物足りなさを感じていたようだ(とはいえ、早く終わって自由時間がたくさんでラッキー!という感覚だったようだが)。

 その後、一斉休校期間の終了が見えてきた2020年5月25日に配信されたさいたま市SAMの教育長・細田氏のメッセージには、「スタディエッセンス」を活用した学びについて「100点満点ではないものの、臨時休業中の子どもたちに何とか学びの機会を与えたいという思いの結晶であり、今、本市が持ち合わせているICTインフラを最大限活用した取組みでした」と、休校中の振り返りが記されていた。一方で、「しかしながら、実際に運用してみますと、デジタルコンテンツを作成する教職員、学ぶ子供たち、そしてそれを支えてくださる保護者の三者にレディネス(学習に対する準備)が十分でなかったために生じたいくつかの課題が明確になり、今後、さいたま市が取り組んでまいりますICTを活用した教育活動において、何をなすべきかはっきりと見えてきたことも事実でございます」と、課題についても触れられていた。

 7月8日には「GIGAスクールさいたまモデル」実現に向け、教育デジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのプロフェッショナル人材を公募することを発表。年明け(2021年1月)にはわが子の通う学校では各学年1クラス分の生徒用端末が先行的に配備された。子供いわく、端末を学年で回して使用し、多いときで週に3時間程度端末に触れる時間が取られ、児童ひとりひとりが端末の操作を学び、徐々に慣れていったようだ。

 そうしたこともあって、初回の「ハイブリッド授業」も、わが子はどこをクリックするとどのページに飛ぶのか、自分のIDとパスワードはどこに入れるのか、授業はMicrosoftのTeamsを使用して行われるのだが、音声のミュートや画像のオンオフ、意見のあるときのチャットでの発言の仕方なども理解しており、難なく準備完了。「朝の会」から参加できた。

画面越しでもクラスの雰囲気は十分伝わる



 印象的だったのは、朝の会の健康観察の時間でのこと。わが子の名前が呼ばれ大きな声で「はい、元気です!」と答えた次の瞬間、画面越しに教室にいる子供たちの「おぉぉぉ!!」というどよめきの声が聞こえた。クラスメートの反応があり、わが子も嬉しそうだった。帰りの会の後にも子供たちのふれあいの姿は見られた。教室を出る前にクラスメートの子らが先生の端末の前に来て、画面越しに参加していたオンライン参加の子らに手を振り、言葉を交わしてくれ、わが子も楽しそうに会話をしており、コミュニケーションも(十分とは言えないながらも)とれていると感じた。

 授業時は、基本、オンライン参加の子らは音声をミュートにして参加をすることになっている。発言の際はチャットを使用しており、これならば子供たちも授業に参加している実感があるのではないかと見ていて感じたし、子ども自身も普段とは違うものの、「(授業に参加した)実感はある」と言っていた。

 なお、この初日の授業のあと、テレビなどでさいたま市のハイブリッド授業のもようを放映しているのを目にした。他の小学校での授業のようすだったが、その中で気になったのは先生が端末を手にしながら授業をしていたこと。

 画面は定点から黒板を写したほうがオンラインで授業をしている生徒たちには見やすい。おそらく音声をとるためにそうせざるを得なかったのだろうと推測した。実はわが子のクラスでは画面こそは定点から写されていたが、やはり移動しながら指導をする先生の声が「遠くなってしまって聞き取りづらいときがあった」という。こうした問題を解消するためにも、各クラスに1台、ヘッドセットやピンマイクなどの音声を効率的に拾う機器を導入したほうが良いのではないかと感じた。

 とはいえ、初日は大きな問題もなく授業は終了。日々変わる状況の中、現場に立つ先生方のご苦労は計り知れないが、授業中にわが子の担任の先生が子供たちにかけた「今、できることを一生懸命にやろう」という言葉は、まさに先生方のその姿でもあるなと感じ、画面のこちらから深く頷いていた。

オンライン授業2日目は…



 朝から市のサーバーがダウンしていたのか、早めにアクセスしたもののシステムに入れずに1時間が経過。その後、学校からのメールで、市のシステムを介さずにTeamsに入る方法の連絡があり、無事に授業に参加することができた。

 しかし、途中からの授業参加ということもあって、わが子は授業内容がよくわからない、板書をノートに写しきる前に消されてしまったと言っており、こうしたトラブルの際には録画画面をあとでチャットで共有する、あるいは黒板の板書を写真で写しチャットで共有するなどすると、子供たちも安心なのではないかと感じた次第だ。

 こうした新しい形での授業は始まったばかり。今後もトラブルは発生するだろうが、その都度、気付きや課題を児童・生徒、保護者、学校間で共有し、問題を解決していければ良いなと、一保護者としては願うばかりだ。
《毬藻 美佐》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top