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私立中学・高校、コロナ禍の生徒募集「厳しい」38%

 コロナ禍の私立中学・高校の生徒募集について、「好調・やや好調」と回答した学校は49.4%、「非常に厳しい・厳しい」は38%であることが、ブレインアカデミーが2021年7月12日に発表した調査結果より明らかになった。

事例 その他
生徒募集について
  • 生徒募集について
  • 教職員の離職状況について
  • 募集広報イベント
  • 塾・小中学校への訪問活動
  • ICT機器の整備状況
  • 進路決定で重視すべきこと/進路決定の傾向・気になる点
 コロナ禍の私立中学・高校の生徒募集について、「好調・やや好調」と回答した学校は49.4%、「非常に厳しい・厳しい」は38%であることが、ブレインアカデミーが2021年7月12日に発表した調査結果より明らかになった。

 調査は、私立中学・高校を対象に行ったもの。Web回答フォームを利用した質問調査で、学校経営(生徒募集・教員離職)・人事労務・募集広報・授業・進路について調査した。調査期間は5月26日~6月10日。回答数は79校。

 コロナ禍の生徒募集について、49.4%が「好調・やや好調」と回答、38%が「非常に厳しい・厳しい」と回答した。また、生徒募集が「非常に厳しい・厳しい」と感じている学校の半数以上(53.3%)が、教職員の離職についても「問題視している」ことが明らかになった。

 ブレインアカデミーによると、生徒募集においていわゆる「勝ち組」として生き残るためには、教育や募集広報活動と同じく、教職員に対する人事・労務問題等への対応も重要な改善要素となる可能性がうかがえるという。ただし、生徒募集が離職を引き起こすのか、離職の多さが生徒募集に影響を与えるのかの因果関係については不明であるため、引き続き継続的な調査を行い、明らかにしていく予定であるとしている。

 募集広報のイベントは、対面・オンラインの両方で実施している学校が全体の約7割で、昨年(2020年)よりもやや増えている。塾や小中学校への訪問活動について、昨年は約10%の学校が「訪問活動を実施しない」と回答していたが、今回は「実施しない」と回答した学校が大幅に低下。通常通り実施する学校の割合が増えている。

 授業については、現在、通常通り対面で実施している学校が約9割と大半を占めた。学校によっては現在も対面と家庭で実施するオンラインの授業を併用して行っている。ICT機器の整備状況は、全生徒がノートパソコンまたはタブレットを保有していると回答した学校が、昨年の23.9%から今年は38.0%に増加した。

 教職員に生徒が進路決定をするうえで重視すべきことを聞いたところ、「将来ビジョン」「自己分析」に関する内容が多くみられた。生徒自身が「将来どうありたいか」を考えたり、自分の考えや気持ちを整理したりすることが必要だと感じている教員が多いことがうかがえる。

 最近の進路決定の傾向や気付いた点は、「消極的な進路選択」「地元志向」「推薦入試希望の増加」等のキーワードが多かった。進路決定においては「近距離」「早く合格する」が重要視され、教職員が本来考える進路支援と大きく離れてしまっており、進路指導が難しい状況にあることが推察された。
《外岡紘代》

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