科学技術振興機構（JST）は2021年6月11日、「次世代研究者挑戦的研究プログラム」における2021年度事業統括、および事業統括が策定する「博士後期課程学生支援プロジェクト」の募集を開始した。申請主体および事業実施機関は、日本国内の国公私立大学。 博士後期課程の学生は、日本の科学技術・イノベーションの将来を担う存在だが、近年は「博士課程に進学すると生活の経済的な見通しが立たない」「博士課程修了後の就職が心配」といった理由から、修士課程から博士後期課程への進学者数や進学率が減少傾向にあり、危機的な状況が指摘されている。 JSTでは2021年度、博士後期課程の学生が研究に専念できる環境を整備し、卓越した博士人材の育成や輩出を目指す事業「次世代研究者挑戦的研究プログラム」を新設。博士後期課程の学生への支援構想である「博士後期課程学生支援プロジェクト」の提案と、その提案を各大学で責任者として実施する事業統括について、6月11日に募集を開始した。 「次世代研究者挑戦的研究プログラム」では、既存の枠組みを越えて優秀な博士後期課程の学生の選抜等を行う事業統括を選定。事業統括は、所属大学と協力して、提案した「博士後期課程学生支援プロジェクト」の中長期的な計画に基づき、博士後期課程の学生の選抜、キャリア開発・育成コンテンツの実施、運営チームの整備を実施する。事業統括で選抜された学生には、生活費相当額および研究費の支給、キャリア開発・育成コンテンツ提供をはじめとする多様な支援を行う。 申請主体および事業実施機関は、日本国内の国公私立大学（博士後期課程を設置しているものに限る）。博士後期課程学生支援プロジェクトが将来のわが国の科学技術・イノベーションの基盤となり、社会課題の解決に資する可能性があるものであれば、研究分野等は指定しない。ただし、1大学につき1件（1名の事業統括）のみ申請が可能。1プロジェクトにおいて申請できる博士後期課程学生数に上限および下限はないが、事業統括が運営チームとともに責任をもって適切な選抜を実施し、キャリア開発・育成コンテンツ等を遂行し、マネジメントできる人数規模として精査されている必要がある。 事業統括により選抜された学生は、1人あたり年間290万円程度の受給（生活費相当額と研究費）とキャリア開発・育成コンテンツの受講が可能となる。なお、支給額の下限は220万円とし、事業統括の裁量により変動する。実施期間は最大5年度（4年制の場合は最大6年度）。2021年度採用分は最大6,000人（博士後期課程学生1年、2年、3年、4年の合計）。2021年度、2022年度、2023年度の修了者をそれぞれ最大2,000人程度と想定している。 募集期間は、A日程が6月11日から7月15日、B日程が6月11日から9月30日まで。公募要領や応募に必要な資料等は、公募Webサイトからダウンロードできる。申請書類は、電子メールで提出する。 公募開始にあわせて、オンラインによる公募説明会も実施する。開催日は6月21日、22日、23日の3日間。時間はいずれも午後3時から4時。事業説明部分は、各日すべて同じ内容。参加無料。公募Webサイトで申込みを受け付けている。また、公募説明会資料や公募説明会動画は、後日Webサイトに掲載予定。◆2021年度「次世代研究者挑戦的研究プログラム」公募申請主体および事業実施機関：日本国内の国公私立大学※博士後期課程を設置しているものに限る募集期間：【Ａ日程】2021年6月11日（金）～7月15日（木）正午【Ｂ日程】2021年6月11日（金）～9月30日（木）正午実施期間：最大5年度（4年制の場合は最大6年度）2021年度採用分：最大6,000人支給額：博士後期課程学生1人あたり年間290万円程度（生活費相当額と研究費）※下限220万円、事業統括の裁量により変動◆公募説明会時間：15:00～16:00形式：オンライン（Zoom）参加費：無料申込方法：Webサイトの申込フォームより申し込む【第1回】開催日：2021年6月21日（月）申込締切：2021年6月18日（金）17:00【第2回】開催日：2021年6月22日（火）申込期間：2021年6月15日（火）～6月21日（月）17:00【第3回】開催日：2021年6月23日（水）申込期間：2021年6月15日（火）～6月22日（火）17:00※事業説明部分は3回とも同じ内容
