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コロナ禍の学生支援、2021年度前期授業料の納付猶予95.7%

 文部科学省は2021年5月25日、「新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査」の結果を発表した。2021年度前期分の授業料の納付猶予を実施または実施予定の大学等は95.7%。独自の授業料等減免を実施または実施予定の大学等は70.7%であった。

教育行政 文部科学省
新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査(2021年3月時点)
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 文部科学省は2021年5月25日、「新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査」の結果を発表した。2021年度前期分の授業料の納付猶予を実施または実施予定の大学等は95.7%。独自の授業料等減免を実施または実施予定の大学等は70.7%であった。

 「新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査」は、2021年3月時点の状況について全国の国公私立大学(短期大学を含む)と高等専門学校を対象に3月30日より実施した。4月26日時点の回答率は95.5%。前回は、2020年12月末時点の調査を実施した。

 2021年度前期分の授業料の納付猶予を実施または実施予定の大学等は95.7%。全体の73.7%の大学等で納付期限を7月以降に設定していた。経済的に困難な学生を対象とした独自の授業料等減免を実施または実施予定の大学等は70.7%。この他、授業料等減免を行っていないものの、使途を限定しない独自の奨学金により授業料等の支援を実施している大学等もあった。

 大学(大学院生を含む)の2020年度の中退者数は5万7,913人、学生数に占める中退者の割合は1.95%。このうち、新型コロナウイルス感染症の影響によるものと判明している中退者数は2,024人、中退者の割合は0.07%。学部1年生に限ると、中退者数は1万2,057人、中退者の割合は1.73%。新型コロナウイルス感染症の影響によるものと判明している学部1年生の中退者数は746人、中退者の割合は0.11%であった。

 中退のおもな理由は「経済的困窮」16.7%、「転学等」16.1%等が多く、2020年度と2019年度でおおむね同様の傾向であった。また、2019年度の中退者数7万4,129人、中退者の割合2.50%と比較すると、2020年度のほうが中退者数、中退者の割合ともに少なかった。

 一方、2020年度の大学(大学院生を含む)の休学者数は6万7,034人、学生数に占める休学者の割合は2.26%。このうち、新型コロナウイルス感染症の影響によるものと判明している休学者数は4,627人、休学者の割合は0.16%。学部1年生に限ると、休学者数は6,654人、休学者の割合は0.95%。新型コロナウイルス感染症の影響によるものと判明している学部1年生の休学者数は841人、休学者の割合は0.12%だった。

 休学のおもな理由は「経済的困窮」15.8%、「心身耗弱・疾患」8.0%等。2019年度と比べて海外留学を理由とした休学者が大きく減少している。学生数に占める1年間の休学者数の割合は、2019年度から大きな変化はなかった。

 文部科学省では、新型コロナウイルス感染症の影響は今後も続くと考えられることから、引き続き状況を注視するとともに、大学等と連携して学生へのきめ細かな支援を継続して実施していくとしている。
《奥山直美》

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