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【クレーム対応Q&A】教室でコート着させて…コロナで換気

 感染予防の観点から教室の換気などがよく行われていますが、それによって服装に関する問題が生じる場合があります。具体的には「教室が寒いのに上着やコートなどを着させてもらえず、寒さで授業に集中できない」などのものです。

事例 その他
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 学校に寄せられるさまざまなクレーム。保護者や地域からのクレームに先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまなクレームに対応する際のポイントを聞いた。第25回は「コロナ対策で換気のために教室の窓を開けているが、寒いのでコート着用を許可してほしい」

学校教育活動を継続するために…
文科省が通達


 今回の新型コロナウイルスの流行は、学校教育活動にさまざまな影響を与えています。感染予防の観点から教室の換気などがよく行われています。換気が頻繁に行われることは良いことなのですが、それによって服装に関する問題が生じる場合があります。具体的には「教室が寒いのに上着やコートなどを着させてもらえず、寒さで授業に集中できない」などのものです。

 こういった事例に関しては、2021年1月14日付けで文科省から出された通知の中に「学校教育活動を継続するためのチェックリスト」があります。そこには服装などに関し、次のように示されています。

「教室等における常時換気(難しい場合には30分に1回以上、少なくとも休み時間ごとに窓を全開)を励行するとともに、児童生徒等に温かい服装を心掛けるよう指導し、学校内での防寒目的の衣服の着用等について、柔軟に対応していますか(コートや防寒着・マフラー等の着用、ひざ掛け・毛布などの使用等)。」

 この文面を読めば、教室内においてコートなどの服を着ていても良いということになります。

学校の役割についてどのように考えるのか


 この上着の件は、学校という組織のあり方について色々と考えさせられます。こういった件において難しいことが「学校の役割についてどのように考えるのか」ということです。学力を向上させることはもちろんとして、人としてきちんと生活していくうえでの術を身に付けるということも大切なことです。そういった面を強く意識し過ぎると学校・学級における規則などの扱いによるトラブルが発生してしまいます。

 学校という組織は一度決まったルールに関し、柔軟に対応するということがしにくい組織です。学校、特に公立学校は税金を原資とし、さまざまな法律などに基づいて運営されています。決められたことが簡単に破られてしまうようでは、その仕組みが成り立たなくなってしまいます。そういったこともあり、一度決まったこと(ルール)にこだわり、それによって悪影響が出てしまうことがあります

 普通に考えれば、極寒の中、コロナ対策で換気をしている状況であれば、上着などを着させても良いという判断になるはずです。それなのに、以前決めた「教室では上着を着ない」というルールにとらわれることで、不都合が生じてしまう場合があります。学校現場がそういった状況なので、文科省が「上着を着ても良いのでは」という通知を出さなければならないのです。

 「平常時」であれば、「上着を着ない」で良いのだと思います。ただし現在のコロナ禍の状況は「非常時」であり、一部平常時とは違った形で取り組んでいく必要もあるのだと思います。常識的に考えればわかるようなことに関しても、文科省が通知を出さなければいけないような状況です。

 学校は日本全国津々浦々、少しずつ置かれた状況が違います。本来はその学校、その学校が自分たちの置かれた状況において、どのような選択をしていくのかを考えていくべきものです。これは今回の服装だけでなく、そのほか、多くの学校教育活動に関しても同様です。管理職を中心にしっかりと考え、生き生きとした学校を作り上げているところもあります。教員は子どもたちに「しっかりと考えて!」とよく言います。ぜひしっかりと教師も「自分たちで考える」ことをしていってほしいです。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
平成7年 東京学芸大学教育学部 小学校教員養成課程理科専修卒業。平成29年 放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市、埼玉県深谷市で計22年、小学校教諭として勤務。現場教員として子どもたちの指導に従事する傍ら、幼保小連携や実践教育をテーマとする研究論文を多数発表している。こども環境学会、日本子ども学会など、多くの活動にも関わる。平成29年4月からは小田原短期大学特任講師、平成30年4月からは帝京平成大学講師として、子どもの未来を支える小学校教諭、幼稚園教諭、保育士などの育成や指導に携わる。近著に「オンライン、ソーシャルディスタンスでできる 学級あそび&授業アイスブレイク」(明治図書)がある。
《鈴木邦明》

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