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学校での専門スタッフ連携不足…総務省が文科省へ勧告

 総務省は2020年5月15日、「学校における専門スタッフ等の活用に関する調査」の結果に基づく勧告を文部科学省に行った。調査によると、スクールカウンセラーなどの専門的職務に対する学校現場での連携が不足していることがわかり、解決策の検討や取組みを求めた。

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学校における専門スタッフ等の活用に関する調査
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 総務省は2020年5月15日、「学校における専門スタッフ等の活用に関する調査」の結果に基づく勧告を文部科学省に行った。調査によると、スクールカウンセラーなどの専門的職務に対する学校現場での連携が不足していることがわかり、解決策の検討や取組みを求めた。

 「学校における専門スタッフ等の活用に関する調査」は、文部科学省や都道府県教育委員会、市町村教育委員会、公立の小中高校、私立中学校などを対象に、2018年8月~2020年5月に実施。教育活動の充実とともに教員の負担軽減にも資する観点から、学校で活動している専門スタッフ等の活用状況などを調査し、関係行政の改善に資するために行った。

 その結果、国費負担のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについて、専門的職務に対する学校現場での理解や学校等との連携が不足しており、十分に活用されていないという実態が見られた。そのため、「スクールカウンセラー等についての理解を促進する取組事例の共有」「活用に当たっての課題の把握及び解決策の検討」などの取組みを文部科学省に求めた。

 文部科学省は、子どもたちの問題行動等に対し、より効果的に対応するために、心理の専門家であるスクールカウンセラーや福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーを各学校に配置。スクールカウンセラーは、心理に関する専門的知見を有する者として、おもに児童生徒、その保護者、教職員へのカウンセリング、アセスメント(見立て)、 コンサルテーション(助言・援助)を行う臨床心理士や公認心理師等。スクールソーシャルワーカーは、福祉の専門性を有する者として、おもに児童生徒のニーズの把握・支援、保護者への支援、学校や地方公共団体への働き掛けを行う社会福祉士や精神保健福祉士など。

 調査では、学校現場においてスクールソーシャルワーカー自体の認知度が低いこと、活用方法が十分に共有されていない、継続的な支援が期待できず生徒や保護者との信頼関係の構築が難しいなど、スクールソーシャルワーカーを活用しなかった事例があげられた。また、どのような場合に生徒をスクールカウンセラーに相談させたらよいかわからないという教育委員会の意見など、具体的な役割や専門的職務への理解不足があった。

 課題がある一方、教育委員会が配置形態を工夫して児童生徒の相談につなげたり、ガイドブックを作成して学校現場に対するスクールソーシャルワーカーの職務等についての理解を促進する事例もみられた。

 勧告では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの効果的な活用を促進する観点から、専門的職務および具体的な役割について、理解を促進する取組事例等を把握し、教育委員会および学校との共有。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置形態が分かるように整理する。活用に当たっての課題について、必要に応じて、その原因を把握し課題の解決策を検討し、教育委員会および学校と共有するなどとしている。

 また、部活動における専門スタッフの活用状況については、地理的条件を踏まえ、部活動指導員の引率に際し、宿泊を伴う引率ができるように制度設計している事例がみられた。地方独自の専門スタッフの活用状況については、学校だけでは対応が難しい暴力行為等が発生している県内の小・中学校に、元警察官等を構成員とするチームを派遣している事例があった、これらは、教育委員会および学校における工夫した取組み事例として整理した。
《田中志実》

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