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教育産業全体の市場規模、2024年は0.7%増…7分野で成長

 矢野経済研究所は2024年度における国内教育産業市場を調査し、市場規模は前年より0.7%増の2兆8,555億7,000万円であったと発表した。

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2024年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)
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 矢野経済研究所は2024年度における国内教育産業市場を調査し、市場規模は前年より0.7%増の2兆8,555億7,000万円であったと発表した。

 調査は2025年7月から9月にかけて行われ、学習塾、予備校、通信教育業者、資格取得学校などを対象に専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・FAX・e-mailによるヒアリング、ならびに各種文献調査併用した。

 2024年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比0.7%増の2兆8,555億7,000万円となった。成長が見られた分野は、幼児向け英会話教材、資格・検定試験、語学スクール、幼児体育指導、企業研修サービス、eラーニング、学習参考書・問題集の7分野となった。特に企業向け研修サービス市場の拡大は、全体市場の底上げに寄与した。

 一方で、少子化の影響が市場全体におよび、一部の分野は縮小傾向にある。学習塾・予備校市場は、事業者間の業績の好不調や新型コロナウイルスの影響を受け停滞している。

 2025年度の市場は、前年から0.6%増の2兆8,720億6,000万円に達すると予測されている。分野別に見ると、「幼児向け英会話教材市場」「資格・検定試験市場」「語学スクール・教室市場」「幼児体育指導市場」「企業向け研修サービス市場」「eラーニング市場」の6分野が前年度比プラス成長で推移すると見込まれる。

 一方、学習塾・予備校事業者の多くは生成AIの活用について研究は進めてはいるものの、現状における学習サービスでの活用に関しては限定的となる見込み。当面における学習サービスへの生成AIの活用は、学生向けの学習サービスの多くではハルシネーション(AIが誤った情報を正しい情報のように生成してしまうこと)などの問題から慎重な姿勢が続く一方、社会人向けの学習サービスでは活用の活発化が予測される。

《吹野准》

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