コクヨとチエルは、全国の教育施設向けにICT利活用を提案するマーケティング協業を2025年9月初旬より開始する。
協業の背景には、小中学校におけるGIGAスクール構想や高等学校でのDXハイスクール事業の進展がある。特に高等学校では、2022年度からの新学習指導要領により、「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」となり、「社会と情報」および「情報の科学」が「情報I」となったことで、生徒が自ら課題を設定・探究する学習や、プログラミング、データ活用といった、より高度で多様な学習活動を行うようになった。
両社は、こうした新しい学びを実践するためには、ICT機器の導入だけでなく、空間的な環境整備がなされた、新しい学びのための教育環境(クリエイティブラボやデジタルラボ)が必要になると考え、チエルが持つソフト(ICT)とコクヨが持つハード(空間)を組み合わせて、学校現場に新しいソリューションの提案を共同で実施することとした。
今回の協業では、GIGAスクール構想の第2期や、文部科学省の「リーディングDXスクール事業」などで加速する教育DXの動きを見据え、チエルが提供するICTソリューションと、コクヨの教育用家具・空間設計ノウハウを組み合わせた販促物(リーフレット)を企画。従来の教室やPC教室を、創造性を広げる学習環境「クリエイティブラボ」や生徒ひとりひとりの意欲が沸く学習環境「デジタルラボ」へとリノベーションする提案を推進する。
具体的には、小中学校向けの「クリエイティブラボ」、高等学校向けの「デジタルラボ」を提案する販促物(リーフレット)を共同で企画・制作し、今後、全国の教育施設向けに展開する。また、教育施設関係者向けに両社共同で、ウェビナー(小中学校向け・高等学校向け)を、それぞれ2025年10月内で開催予定である。
チエルが提供する各種ソリューションと、コクヨが持つ可動性の高いデスクやチェアーなどの教育施設向け家具、ICT機器の活用を想定した什器などを組み合わせた教育空間提案を検討予定。これにより、たとえば高等学校における「総合的な探究の時間」でのグループディスカッションや「情報I」でのプログラミング演習といった生徒の多様な学習活動に合わせてレイアウトを自在に変更できる、柔軟性の高い「デジタルラボ」へと転換させることが可能になるという。
チエルは、「子供たちの未来のために、世界中の先生の授業をICTで支える」を企業理念に掲げて設立。シェアNO.1のフルデジタルCALLシステムや、タブレット対応授業支援システム、クラウド型教材配信サービスなどの開発・制作を手がける、教育市場に特化したICT専業メーカーである。