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福祉人材確保へ、東京都とBlueberryが協定締結

 東京都とBlueberryは2025年5月1日、「次世代の福祉人材確保」を目的とした協定を締結した。今回の協定により、東京都とBlueberryは、福祉業界への関心を若年層から醸成することを目的に、段階的な教育プログラムを展開していく。

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東京都とBlueberryが「次世代の福祉人材確保」を目的とした協定を締結
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 東京都とBlueberryは2025年5月1日、「次世代の福祉人材確保」を目的とした協定を締結した。今回の協定により、東京都とBlueberryは、福祉業界への関心を若年層から醸成することを目的に、段階的な教育プログラムを展開していく。

 少子高齢化が進む中で、福祉人材の確保は社会的な急務となっている。団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年を機に、福祉サービスの需要は急増する一方、東京の生産年齢人口は減少が見込まれており、福祉ニーズに応じた人材の確保・育成が課題となっている。

 今回の協定は、2025年1月に開催された「UPGRADE with TOKYO」第46回ピッチイベントでの優勝提案をもとに実現されたもので、子供たちに福祉の仕事への理解と関心を育む新たなキャリア教育の取組みである。

 協定の柱となるのは、小中学生およびその保護者を対象とした7つの教育プログラムである。学校現場と連携しながら、体験・対話・探究を通じた学びを実現する。

 具体的なプログラムとしては、15の福祉職種を紹介するオンデマンド動画、VR体験による福祉施設の疑似体験、福祉施設で働く人々とのオンライン対話が可能なふれあいイベント、福祉の仕事について調査・発表するプレゼンコンテスト、理想の福祉施設を考案・発表するアイデアソン、保護者向けセミナー、福祉の仕事に触れる専用Webサイトがある。

 これらのプログラムは、学校ごとのキャリア教育の方針や子供たちの実態に応じて、自由に組み合わせて活用できる。たとえば「VR体験とふれあいイベントを組み合わせる」「まずはオンデマンド動画を視聴して事前学習をしたうえで、ふれあいイベントに取り組む」など、段階的な取組みも可能。導入にあたっては、各校の希望をていねいに伺い、最適なプランを提案する。

 Blueberryの代表取締役社長、柴田涼太郎氏は、「この度、東京都様と未来ある取り組みに向けて本連携協定を締結いたしましたことを心から嬉しく思います。私たちBlueberryは教育には社会の未来を変える大きな力があると信じています。特にキャリア教育という分野は、次世代を担う人材育成という観点から非常に重要な役割を担っています。今回は福祉業界における大きな社会課題へのアプローチとなります。この国の人々の生活をより豊かにするための大義ある取り組みであると感じております。」とコメントしている。

 また、東京都福祉局企画部福祉人材・サービス基盤担当課長の山岡亮一氏は、「東京都では、福祉人材の確保・育成・定着に向けた様々な施策を展開するとともに、多くの方に福祉の仕事に興味・関心を持ってもらえるよう、積極的にPR活動を行っていますが、福祉人材の有効求人倍率は全産業平均と比較して高い状況が続いています。今般、キャリア教育を事業展開するBlueberryさんと連携して作成したプログラムを通じ、未来の東京を支える小・中学生に、福祉の仕事の大切さや、その意義について理解を深めていただきたいと考えています。協働プロジェクトを契機に、将来の職業選択時に福祉業界を選ぶ子供たちが増えることを願っております」と述べている。

 このキャリア教育プログラムの詳細を希望する東京都の小中学校は、BlueberryのWebサイトの問い合わせフォーム、またはメールにて相談を受け付けている。

《風巻塔子》

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