2025年4月4日、あべ俊子文部科学大臣は記者会見で、進学動向の変化に伴う短期大学の在り方と、障害がある生徒の受験・入学に関する適切な対応について言及した。
近年、多くの短期大学が4年制大学への転換や学生募集の停止を進めている。しかし、短期大学は入学者の約7割が同じ都道府県内の高校卒業生であり、地域に密着した専門職業人材の育成に寄与している。文部科学省は、短期大学がその役割を果たし続けるために、社会変化や地域のニーズを踏まえた改革を進めることが重要であるとし、他の高等教育機関との連携を促進する方針を示した。さらに、私立大学等経常費補助金を通じて、将来を見据えたチャレンジや経営改革を支援する意向を表明した。
一方、香川県で電動車いすを使用する男子中学生が、県内の私立高校で施設面を理由に入学を断られた問題が浮上している。さらに、同中学生が私立高校を受験した際、中学校の校長から「合格しても入学しない」との確約を求められたことについても、適切な対応だったかどうかが問われている。
あべ大臣は、文部科学省は障害を理由に、具体的な場面や状況に応じた検討を行わずに受験や入学を拒むことは、不当な差別的取扱いに該当する可能性があるとし、関係者には当事者に判断の理由をていねいに説明し、適切に対応することが重要であると強調した。
文部科学省は、2025年2月に教職員支援機構と連携し、小学校や中学校の教職員を対象に、合理的配慮の提供に関する基本的な考え方をまとめた研修動画を公表した。この中で、建設的な対話を通じて相互理解を深め、共に対応を検討することの重要性を訴えている。今後もこうした内容の周知徹底に努めるとしている。