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佐賀県、SPI3導入で採用試験を刷新

 2025年度から、佐賀県は職員採用試験において、民間企業の採用試験で多く用いられる「SPI3」を導入した「特別枠試験」を実施する。技術職においては、公務員試験対策の負担を大幅に軽減する「大学卒業程度試験」も行う。

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佐賀県職員採用
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 2025年度から、佐賀県は職員採用試験において、民間企業の採用試験で多く用いられる「SPI3」を導入した「特別枠試験」を実施する。技術職においては、公務員試験対策の負担を大幅に軽減する「大学卒業程度試験」も行う。さらに、特別枠試験を実施していなかった技術系職種の一部も新たに特別枠試験を実施することが決定した。

 佐賀県は、多様な人材を獲得するため、2005年度から「民間企業等職務経験者試験」を、2008年からは公務員試験対策不要な「特別枠試験」を開始している。現在、民間企業経験者が行政職員の16%を占め、新卒採用においては2013年度以降「特別枠」の採用予定者数が公務員試験対策を必要とする従来型の「大学卒業程度試験」を上回っている。これにより、さまざまな経験やスキルを持つ人材が集まり、多様性のある組織文化が形成されている。

 佐賀県では、より多くの人々に佐賀県職員採用試験を受験してもらうため、職員採用試験(特別枠・スポーツ特別枠試験および大学卒業程度試験)の試験内容を一部変更する。特別枠・スポーツ特別枠試験の試験方式を変更し、2025年3月に受験申込みが開始する特別枠試験については、民間企業を中心に就職活動をしている人々も受験しやすいように試験方式を変更する。

 おもな変更点として、第一次試験は、行政職・技術職ともに、民間企業の多くで実施されているSPI3により実施される。SPI3(基礎能力試験)は、公務員試験対策を必要とせず、全国に設置される試験会場や自宅で都合の良い日時に受験できる。技術職は、第一次試験で実施していた専門試験(記述式の筆記試験)を廃止し、第二次試験で専門性確認面接を実施する。これにより、大学等で習得された専門知識等について、各職種において必要とする程度を満たすかを面接で確認することとし、筆記試験は廃止する。

 さらに、特別枠試験の実施職種を追加する。これまで実施してきた事務系職種の行政、教育行政、技術系職種の土木、農政に加え、2025年度試験から特別枠試験を実施する技術系職種をさらに追加する予定である。具体的な職種は2025年2月ごろに発表予定。

 また、2025年4月に受験申込みが開始する大学卒業程度試験において、技術職全職種の教養試験を廃止する。これにより、公務員試験対策の大幅な負担軽減を図り、より多くの人々が受験しやすい試験に変更する。技術職の第一次試験では、教養試験(択一式)を廃止し、専門試験(択一式)のみ実施する。行政、教育行政、警察行政の試験内容は、これまでと変更はない。

 佐賀県の採用職種一覧には「公務員」という文字はひとつもなく、そこに並ぶのは、より良い佐賀をそれぞれの形で目指そうとするプロフェッショナルたちの肩書きである。佐賀県職員採用情報をはじめ、佐賀県が実施するさまざまなプロジェクトの誕生ストーリーや職員へのインタビューなどを掲載するWebサイトも運営されており、佐賀県について深く知ることができる。

《吹野准》

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