東洋大学と埼玉大学は2024年9月17日、研究施設の共同利用や理工系女子育成強化に向けた体制づくりなど、社会貢献への寄与を目的とした包括連携協定を締結した。「彩の国・理工系進路選択エンカレッジプログラム」の共同実施では、理工系女子の将来像をイメージしやすいロールモデル提供にも期待が寄せられる。
今回の包括連携協定は、教育、研究、地域貢献、産学官金連携の各方面にわたって広く協力し、理工系女子育成の強化を目指した体制づくりや、共同利用による研究施設の有効活用により社会への貢献に寄与することを目的としたもの。東洋大学と埼玉大学の両校あわせて1,200名を超える研究者の専門知識と経験を生かし、多様な分野での融合研究の推進によって、世界が直面する多くの課題への貢献を目指す。
今後、両校は包括連携協定に基づき、連絡協議会(予定)を設定。研究施設・研究機器の共同利用や、埼玉大学が主催する「彩の国女性研究者・技術者ネットワーク」の強化および、「彩の国・理工系進路選択エンカレッジプログラム」の共同実施などを行う予定となっている。
このうち、「彩の国・理工系進路選択エンカレッジプログラム」は、女子中高生に理工系の魅力を伝えながら進路選択を促すことを目的としたもので、埼玉大学が拠点を設けて大学教員による出前授業やサイエンス体験サマースクール、ワークショップ、ものづくりの現場訪問、研究者との懇談会を開催している。理工系学部での女子学生の割合が増加傾向にある東洋大学との共同実施が実現すれば、女子学生が中高生に理工系の魅力を伝え、女子中高校生にとっての将来像をイメージしやすいロールモデルを提供することなどにも期待ができるという。
今回の協定締結にあたり、東洋大学の矢口悦子学長は「現代的諸課題に対する先端的な研究を一層高度化することができると大いに期待しております」とコメント。埼玉大学の坂井貴文学長は「両大学がもつ『知』の力を生かし、埼玉地域をはじめとした社会の発展および時代に即した人材育成に貢献できることを期待しております」とコメントを寄せている。