北海道教育大学、大阪教育大学、福岡教育大学の3大学は2024年8月28日、文部科学省から正式に認可が下りたことを受け、共同教育課程による博士後期課程を2025年4月に開設すると発表した。入学定員は各大学4名、計12名。9月10日に学生募集要項が公表される予定。
子供を取り巻く課題が複雑化する中、教員の高い資質能力、ひいては教員養成大学がその機能を強化することが求められている。大規模な単科の教員養成大学である北海道教育大学、大阪教育大学、福岡教育大学の3大学は、教員養成を担当する大学教員の資質能力を向上させるべく、臨床的な研究力と教員養成の学識を備えた「教員養成担当大学教員」や「教員研修担当者」等を養成する共同教育課程の制度を用いた博士後期課程を、2025年4月に新たに設置する。
共同専攻の名称は「教育学研究科 共同学校教育学専攻」（大阪教育大学のみ「学校教育学研究科 共同学校教育学専攻」）。博士課程（後期3年のみ）として設置し、「教員養成担当大学教員」のほか、教育現場での実務経験を学部や教職大学院での教員養成に生かすことのできる実務家教員、教員の資質向上と学校組織マネジメントに貢献する教員研修の専門家となる能力をもった人材などの養成を目指す。
共同専攻名である「学校教育学」が研究対象とする、さまざまな学校教育課題のとらえ方を2つの側面に分け、それぞれ「臨床発達教育科学分野」および「臨床教科学分野」として各分野に応じた教育課程を構成。学生はいずれかの分野に所属し、学位論文執筆のための研究活動を進める。
履修や研究指導は、平日の夜間（午後7時40分～午後9時10分）および土曜日の午後、夏季や冬季休業期間中に実施する集中講義をメインに実施。個々の授業科目の履修については基本的に3大学共同でオンラインで展開し、実地的な学修が必要な科目についても一部はオンラインで履修できるよう整備するとしている。
入学定員は、各大学4名、計12名。標準修業年限は3年だが、現職教員等の履修に配慮して「長期履修学生制度」（修業年限6年上限）を設ける。学納金は、入学料28万2,000円、授業料53万5,800円（年額・予定）。各大学にて経済的修学支援制度等も整備する予定。
今後は、9月10日に学生募集要項を公表、12月8日に入学者選抜試験、12月下旬に合格発表を予定。選考は、書類審査、筆記試験（小論文、語学試験）、口述試験（研究計画書と志望分野にかかる口頭試問）にて行われる。詳細は学生募集要項にて確認のこと。
