埼玉県教育委員会は2024年6月14日、教職員による不祥事根絶に向けた研修資料「不祥事防止のための心理と行動のワークシート」をWebサイトに公開した。認知行動療法の考え方を取り入れ、わいせつ行為と体罰の2種類を作成。今後、公立学校の研修や初任者研修等で活用していく。
埼玉県では、教職員による不祥事の根絶を目指した「不祥事根絶アクションプログラム」を策定。2021年2月には教職員の不祥事根絶に向けた研修プログラム「未来を育てる 私たちの使命と誇り~不祥事根絶を目指して~」を作成し、毎年度バージョンアップを図りながら研修等さまざまな取組みを行なってきた。
今回、プログラムの一環として、過去に県内で起きた不祥事の背景や心理等の分析結果をもとにした教職員向けの研修資料「不祥事防止のための心理と行動のワークシート」を作成。教職員ひとりひとりに、不祥事に至るまでの心理と行動の段階的な変化や、自分自身の認知の歪みに気付かせ、不祥事の未然防止のための具体的な行動につなげてもらうことを目的に、資料を公開した。
ワークシートは、わいせつ行為(教職員の恋愛感情に由来する身体接触)と、体罰(相手への制裁・報復を目的とする行為)の2種類。いずれも埼玉県の教職員が起こしたわいせつ行為および体罰の事例分析に基づき、さいたま法務少年支援センターの心理専門職員協力のもと作成。認知行動療法の考え方を取り入れ、自分自身の考え方の癖、いわゆる認知の歪みを認識して修正し、不祥事を食い止める行動へつなげる研修資料となっている。
資料は過去の不祥事の背景・心理の分析を分析した解説資料と、実際に記入しながら活用するワークシートで構成。グループワークとセルフチェックのどちらでも活用できる形となっており、効果を持続するためには、単発の実施で終わらせるのではなく、セルフチェックを行ったうえでグループワークを行う、一定期間を空けて再度実施するなど、繰り返し活用することが効果的だという。
資料は埼玉県教育委員会のWebサイトから閲覧・ダウンロード可能。今後は県立学校、市町村立学校の職場研修等や、2025年度からの初任者研修等年次研修で活用していくとしている。