文部科学省は2023年8月14日、第55回国際化学オリンピックにおいて、参加した生徒が金メダル2個、銀メダル2個を獲得したことから、優秀な成績を踏まえ、文部科学大臣表彰を授与することを決定した。
国際化学オリンピックは、1968年に東欧3か国（ハンガリー、旧チェコスロバキア、ポーランド）にて第1回大会を開催。日本は、2003年から参加を開始し、毎年4人の生徒を派遣し、今回は21回目の参加となる。第55回国際化学オリンピックは、スイスで7月16日～7月25日に開催され、89か国・地域などから348人の生徒が参加した。
大会は世界の高校生などが一堂に会し、化学の実力を競うと同時に親交を深めることを目的としている。例年は毎年7月に10日間の日程で開催され、生徒らはそれぞれ5時間の実験課題と理論問題に挑戦する。COVID-19感染が拡大した2020年から2022年まではリモートでの理論試験のみが行われ、2023年は現地開催のため実験試験と理論試験の両方が行われた。
金メダルを受賞したのは、山之内望花さん（久留米大学附設高等学校3年）と松坂康平さん（東海高等学校）の2人。銀メダルは鈴木晴翔さん（聖光学院高等学校3年）と田中舜さん（徳島市立高等学校3年）の2人。金メダルは参加者の約1割、銀メダルは約2割、銅メダルは約3割の割合で与えられる。受賞した4人は、優秀な成績を踏まえ、文部科学大臣表彰を受賞することが決定した。
「夢・化学-21」委員会と日本化学会が1999年から開催する「化学グランプリ」では、国際化学オリンピックへの代表候補生徒を選抜しており、参加者のうち高校2年生までの成績優秀者20人程度が代表一次候補生徒として推薦されている。
