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保育士の配置基準改善「不適切保育の減少に繋がる」8割

 コドモンは2023年3月2日、保育・教育施設向けICTサービス「コドモン」を利用する全国の保育施設を対象に実施した「保育士の配置基準」に関するアンケートの結果を公表した。8割が「配置基準改善により不適切保育は少なくなる」と回答、適切な基準が望まれる。

事例 その他
管轄自治体の配置基準は国の基準より独自に手厚い配置基準になっていますか?
  • 管轄自治体の配置基準は国の基準より独自に手厚い配置基準になっていますか?
  • 独自に国や自治体基準以上に保育士を多く配置する基準を設けていますか?
  • 大きな負担になっていたり十分にやれていないと感じるもの
  • 子供の命と安全を守れないと思う場面
  • 保育士にとって安全を守るのが難しい場面において、独自の対策や工夫をされていますか
  • 保育士の人手が足りないと、より管理的な保育になりがちだと感じますか
  • 配置基準が改善されることで不適切保育は少なくなると思いますか

 コドモンは2023年3月2日、保育・教育施設向けICTサービス「コドモン」を利用する全国の保育施設を対象に実施した「保育士の配置基準」に関するアンケートの結果を公表した。8割が「配置基準改善により不適切保育は少なくなる」と回答、適切な基準が望まれる。

 保育士配置基準とは、国の「児童福祉施設最低基準」により、保育士1人につき保育可能な子供の人数を示したもの。保育士1人に対する基準は、0歳児3人、1歳児6人、2歳児6人、3歳児20人、4歳児以上30人と定義。ただし、自治体や保育施設が別途定める基準があれば優先できる。

 「保育士の配置基準」調査は2月8日~24日、保育・教育施設向けICTサービス「コドモン」を利用する全国の保育施設を対象にメールとWebでアンケートを実施。有効回答数は488件。

 「国の基準よりも管轄自治体が独自に手厚い配置基準を定めている」との回答は50%。一方「国の基準と変わらない」との回答も49.2%と二分される結果となった。また、「施設独自で国や自治体よりも手厚い配置基準を定めている」32.6%に対し、60.9%の施設は「国(または自治体)の配置基準通り」と回答している。

 国の配置基準によって、大きな負担となっているものは「保育計画等の事務作業」「職員間での相談や話し合い」「研修」が上位にあがり、通常の労働環境であれば当たり前にできるはずのことができていないことがうかがえる。

 一方、配置基準を手厚くしたことで良かったことには、「保育の質向上につながった」「子供ひとりひとりに丁寧に接することができる」「保育士に余裕ができた」「残業の減少、離職率の低下といった働き方の改善につながった」といった回答が多かったという。

 保育士が「子供の命と安全を守れないと思う場面」は、「災害時」82.8%が最多。ついで「お散歩等の園外活動」73.8%、「プールや水遊び」65.6%、「防犯上」58.0%、「早朝や夕方の保育」50.8%。また、子供の命と安全を守るために、施設独自の対策や工夫を実施している施設は65.8%にのぼった。工夫事例には、ICT活用の他、保育士の配置基準プラス1人多い配置、室内外にベビーカーや避難車を多く設置等の回答が寄せられた。

 また85.9%が「保育士の人手が足りないと、より管理的な保育になりがちだと思う」、79.1%が「配置基準が改善されることで不適切保育は少なくなると思う」と回答。適切な配置基準で余裕をもった保育が、不適切保育の減少に寄与することがわかった。しかし、配置基準の改善には、待遇を改善し保育士不足を解消する必要があるとの声もあがっているという。

《川端珠紀》

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