国土交通省は2022年12月20日、送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドラインを公表した。「降車時確認式」「自動検知式」の2種類の装置について、最低限満たすべき要件を取りまとめた。
2021年7月に福岡県中間市の保育所で男児が通園バスに置き去りにされ死亡した事案、2022年9月に静岡県牧之原市の認定こども園で送迎用バスに置き去りにされた女児が熱中症により死亡した事案が発生した。
これらの事案を受け、「保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部におけるバス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する関係府省会議」が開催され、国土交通省はオブザーバとして参加し、10月12日に開催された第4回会議で「送迎用バスの安全装置の設置の義務化」と「安全装置の仕様に関するガイドラインの作成」等を含む緊急対策が決定された。
国土交通省は、送迎バスの運用実態や装置の開発状況等を踏まえ、ヒューマンエラーを補完する装置として、「降車時確認式」「自動検知式」の2種類の装置について、最低限満たすべき要件を取りまとめた。
ガイドラインで規定されたおもな要件は、「運転者等が車内の確認を怠った場合には、速やかに車内への警報を行うとともに、15分以内に車外への警報を発すること」「子供等がいたずらできない位置に警報を停止する装置を設置すること」「十分な耐久性を有すること」「装置が故障・電源喪失した場合には、運転者等に対してアラーム等で故障を通知すること」の4点。
また、降車時確認式の装置では、エンジン停止後、運転者等に車内の確認を促す車内向けの警報を発すること等を規定。自動検知式の装置では、エンジン停止から一定時間後にカメラ等のセンサーにより車内の検知を開始すること等が定められた。
今後、同安全装置の装備義務化に向けて、関係府省が法令を整備し、同ガイドラインの規定を満たす安全装置のリストの公表等の準備を進めるとしている。