全国の法務局・地方法務局・都道府県人権擁護委員連合会では、2006年度(平成18年度)から「子どもの人権SOSミニレター」を全国の小中学校の児童生徒に配布している。身近な人にも相談できない子供たちの悩みごとを的確に把握し、学校等と連携を図りながら、さまざまな人権問題の解決にあたっている。
2022年度は、5月24日から7月上旬に全国の小中学校に配布する。ミニレターには、封筒と便箋が表裏で印刷されており、便箋に相談したいことを書いて、封筒部分で切り取り封をしてから、切手を貼らずに投函できる。ミニレターで送った悩みごとには、法務局職員や人権擁護委員らが、ひとりひとりに丁寧にアドバイスをしてくれる。
ミニレター1通に複数相談が含まれる場合はそれぞれを1件とし、2021年度は1万1,194件のSOSミニレターを端緒とする相談が寄せられた。内訳は「体罰」36件、「虐待」395件、「いじめ」3,080件、「その他」7,683件。学年別では、小学3年生から6年生の相談割合が高くなっている。
事案によっては、学校・児童相談所等の関係機関と連携しながら被害者の速やかな保護に努めるとともに、人権侵害の疑いのある相談については、人権侵犯事件として調査を開始する場合もある。過去には、小学校のいじめ、父親による虐待、兄から妹への性的虐待、中学校教諭による体罰に対し、救済措置を講じている。
法務省では、SOSミニレター以外にも相談窓口として、全国共通フリーダイヤル「子どもの人権110番」(0120-007-110)や24時間受付の「子どもの人権SOS-eメール」を設置し、子供の人権問題に関する相談を受け付けている。