教育業界ニュース

いじめ・自殺につながる検索をブロック「見守りフィルター」拡充、デジタルアーツ

 デジタルアーツは2021年11月13日、Webセキュリティクラウドサービス「i-FILTER Cloud」GIGAスクール版に搭載しているネットいじめや自殺につながる書き込み・検索をブロックし通知する「見守りフィルター」について、管理者がルールを設定ができる機能を新たに追加した。

教材・サービス 授業
「見守りフィルター」機能拡充の内容
  • 「見守りフィルター」機能拡充の内容
  • ある教育委員会で検索された自殺関連の単語
  • 「見守りフィルター」で検出したい単語を追加できる
 デジタルアーツは2021年11月13日、Webセキュリティクラウドサービス「i-FILTER Cloud」GIGAスクール版に搭載しているネットいじめや自殺につながる書き込み・検索をブロックし通知する「見守りフィルター」について、管理者が指定する検索単語をブロックしたり、特定のWebサービスに制限をかける等、さまざまなルールを設定ができる機能を新たに追加した。

 文部科学省の「2020年度(令和2年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2021年10月13日)よると、「パソコンや携帯電話等で、誹謗・中傷や嫌なことをされる」といったネットいじめは、2014年に7,898件だったが、2020年には1万8,870件と過去最多となっている。また、GIGAスクール構想が進展する中、文部科学省は「端末の活用におけるルールを明確にし、児童生徒との間で共通理解を図り、教師が児童生徒の書き込みを確認できる設定にする等、安全かつ効果的に端末を活用できるようにすることが重要である」との通知も出している。

 このような背景から、情報セキュリティメーカーのデジタルアーツは、「i-FILTER Cloud」GIGAスクール版で提供している「見守りフィルター」の機能を拡充。従来の「見守りフィルター」では、デジタルアーツが初期設定した自殺・家出カテゴリに分類するWebサイトへのアクセスや、自殺・家出関連単語の検索・書き込みについて、ブロックしたうえで管理者へメールで通知し、管理者は自殺・家出以外のルール設定を行うことはできなかった。今回の機能拡充により、管理者は独自で指定した検索単語やWebサイトへのアクセスをブロックし、管理者へメール通知できるようになった。

 さらに、SNS等特定のWebサービスの利用や端末の利用時間等についても管理者がルールを設定し、そのルール設定に反した場合にはブロックし、メール通知する運用もできるようになる。なお、オンプレミス版の「i-FILTER」Ver.10では、さまざまなルール設定が可能な同機能はすでに提供している。

 家庭ではインターネットにほとんど触れてこなかった児童・生徒も学習用端末の配布によってインターネットにアクセスすることができるようになった。ある教育委員会の生徒が2021年4月19日~23日にGIGAスクール構想を受け配布された学習用端末を使って検索すると、学習用端末でありながらわずか5日間で10件以上の自殺関連単語が検索された。

 デジタルアーツの「見守りフィルター」は、自殺関連サイトへアクセスを試みると、「i-FILTER」でブロックするだけでなく、同時に管理者へのメール通知をすることができる。管理者は通知を受けることで、これまで気が付くことができなかった自殺関連サイトへのアクセスを試みた悩みを抱える児童・生徒を発見することが可能となる。児童・生徒の悩みがさらに深刻化する前にいち早く心のケアをすることで、児童・生徒の命を守るための「見守り警報」としての効果が期待できるという。
《田中志実》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

特集

page top