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大阪大「大阪公立大学」の英語名称にかかる問題点を説明

 大阪大学は2020年8月6日、「大阪公立大学の英語名称にかかる問題点について(第3報)」を発表した。大阪公立大学が英語名称を「University of Osaka」とすることに対して、再考を申し入れているが、8月6日までに回答はないという。

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 大阪大学は2020年8月6日、「大阪公立大学の英語名称にかかる問題点について(第3報)」を発表した。大阪公立大学が英語名称を「University of Osaka」とすることに対して、再考を申し入れているが、8月6日までに回答はないという。

 大阪府立大学と大阪市立大学が融合して2022年4月に開学する予定の新大学の名称が、「大阪公立大学(英語表記:University of Osaka)」に決定したことが6月26日に発表された。

 しかし、大阪大学は「University of Osaka」は、すでに海外では大阪大学として認識されていること、特に海外の研究者、留学生に大きな混乱を招き、両大学の未来に甚大な障害となることは必至であるとの考えから、大阪公立大学の英語名称を再考するよう求めている。

 8月6日に発表された第3報では、大阪公立大学の英語名称を「University of Osaka」とした場合の問題点を、参考資料を使って説明。国内にすでに類似した英語表記を持つ大学が存在するが、国内のほかの事例では学部・大学院の名称の重複がないこと。一方、大阪大学と大阪公立大学(構想中)の学域・学部、研究科では日本語、英語ともに重複する学域・学部、研究科名称が9件存在するため、混乱が発生すると説明している。

 また、大阪大学は2019年5月1日時点において国内で8番目に多い2,594名の留学生を受け入れている。学術論文の数も多く、教員の業績が正当に評価されないなど、影響が大きいと主張している。

 「University of Osaka」と「Osaka University」は海外では同一視されるため、欧米諸国だけでなく、広く世界において混乱が発生するとしている。フランス語、スペイン語、イタリア語、スウェーデン語においては両大学が同一表記、ラテン語では両表記が同じ意味、ロシア語では両表記が同義と理解されるため、「大阪大学」と「大阪公立大学」を区別できないという。

 これらの理由から、教育研究活動を行う海外の研究者や、両大学で学ぶ留学生数の規模などを考えると、大学名称の混同は国際的にも影響が著しく、英語名称は研究者や留学生に誤解や混乱を生じさせないようなグローバルな視点から決定される必要があるとして、大阪府知事、大阪市長、公立大学法人大阪理事長に対して英語表記の再考を求めている。
《外岡紘代》

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