文部科学省は2026年7月10日、2026年度(令和8年度)「障害のある学生の修学・就職支援促進事業(手話通訳推進拠点)」の選定状況を公表した。事業委員会による審査を踏まえ、筑波技術大学を申請代表校とする1件の事業を採択した。
同事業は、先進的な取組みや知見を持つ大学等が中心となり、大学等における手話通訳等の情報保障の実態把握を行うもの。実態に即したガイドラインや実践例などの活用を通じて、高等教育機関全体における障害学生支援の体制を一層充実させるため、手話通訳等による情報保障を推進することを目的としている。
選定された事業の申請代表校は筑波技術大学。共同申請校は宮城教育大学、群馬大学、日本社会事業大学。産官学福連携による学術手話通訳支援プラットフォームを構築し、手話通訳支援を通して、聴覚障害学生の学びと生きる力の醸成を持続的に支えるための基盤を形成する事業に取り組むとしている。
取組みは3つの柱で構成。1つ目は「手話通訳を知る」。聴覚障害学生のニーズに基づき、手話通訳を「特別な支援」から「合理的配慮の標準的選択肢の一つ」へ捉え直すリファレンススタンダードを確立し、全国的な理解の普及を図る。2つ目は「支援を実装する」。支援体制や授業形態ごとに複数のモデル事例を創出し、大学、学生、通訳者の立場別ガイドラインを開発。すべての大学が手話通訳支援に取り組める環境を整備する。3つ目は「養成の基盤を作る」。学術手話通訳の体系的な教材・研修プログラムを整備し、安定的な人材確保の基盤を確立する。
今回の選定について、障害のある学生の修学・就職支援促進事業委員会は所見を発表し、選定された取組みは国公私立大学や関係機関等が参加・連携する広域的なプラットフォームを形成できる計画と評価した。また、ガイドラインの作成、研修プログラムの開発・実施、ポータルサイトでの情報発信等により、高等教育機関全体で手話通訳等による情報保障を推進することが見込めるとしている。
所見ではあわせて、大学間や地域間で支援体制に格差があること、聴覚障害学生への手話通訳支援では専門人材の確保・養成、支援ノウハウの蓄積と共有が課題であることを指摘。選定された大学には、手話通訳支援に関する中核的な拠点として、他大学や関係機関との連携・協働を推進し、広域的な支援ネットワークの形成に取り組むことを求めている。








