キッズドアと、奨学金返還支援サービス「奨学金バンク」を提供するアクティブ アンド カンパニーは、日本の社会課題である奨学金問題の解決に向け、連携を強化し共同で取組みを進めていくことを発表した。今回の連携により、子供の貧困や教育格差の是正、奨学金返還に対する不安の軽減を目的とした活動をさらに推進していく。
現在、高校卒業後に大学や専門学校などへ進学する割合は83.7%にのぼり、そのうち55.0%の学生が奨学金を利用している。奨学金の平均借入総額は313万円、平均返還済年数は15年とされ、若者にとって大きな経済的負担となっている。特に経済的に困難な家庭の子供たちにとって、奨学金は進学の希望である一方、将来への不安の要因にもなっているのが現状だ。
キッズドアは、子供の貧困に取り組む認定NPO法人として、長年にわたり高校生や保護者への支援を行ってきた。一方、アクティブ アンド カンパニーは、奨学金の返還負担を減らすことで、起業・キャリアチェンジ、結婚・出産など、積極的なチャレンジやライフステージの変化に前向きな環境を構築し、持続可能な就学・就職サイクルを作るためのサービス「奨学金バンク」を展開している。両者の連携により、奨学金の返還負担軽減の支援の拡充や制度化を目指し、より多くの若者が安心して進学・就職できる社会の実現を目指すとしている。
今後の具体的な取組み内容は次の通り。「奨学金問題啓発のためのシンポジウムなどの開催」「キッズドアが支援する高校生や保護者への情報提供による不安軽減」「行政や企業への寄付・支援制度の推進」「奨学金に関する不安軽減のための小冊子などの共同制作」「奨学金に関するアンケート調査の実施と政策提言」「奨学金制度の理解促進を目的とした動画コンテンツの制作・配信」。
連携の第1弾として、2026年春ごろに「教育格差シンポジウムVol.4 奨学金をめぐる課題と支援について」を開催する予定だ。同シンポジウムは、奨学金制度の現状と課題、支援の可能性について、専門家・支援団体・企業・行政関係者など多様な視点から議論を深める場となる。詳細は後日、キッズドアおよびアクティブ アンド カンパニーのWebサイトなどで発表される。
キッズドアは、2009年設立以来、日本の子供の貧困課題の解決に取り組んでいる認定NPO法人。困窮家庭の小学生から高校生・高校中退した若者を対象に、無料学習会や居場所型学習会を東京とその近郊、宮城および神戸で展開している。2020年からは「ファミリーサポート」というシステムを構築し、全国の登録子育て家庭を対象に、情報支援や食料・文房具支援、保護者への就労支援も行う。理事長の渡辺由美子氏は、こども家庭庁 こども家庭審議会 貧困対策・ひとり親家庭支援部会臨時委員なども務めている。
アクティブ アンド カンパニーは、2006年1月設立の組織活性化に特化した組織人事コンサルティングファーム。組織・人事に関するコンサルティングのほか、クラウド型HRオートメーションシステム「サイレコ」を提供し、人事業務の効率化やタレントマネジメントの実現を支援している。







