2025年2月4日、あべ文部科学大臣は記者会見で、東京と大阪が独自に進める高校無償化策について評価を述べた。また、デジタル教科書のハイブリッド化に関する議論や、性的マイノリティへの教育支援についても言及した。
高校無償化について、あべ大臣は各地方自治体が地域の実情に応じた独自の支援策を講じていることを評価した。具体的には、東京都が授業料の平均額を参考に約48万円を上限に所得制限を設けず支援を行っていること、大阪府が授業料が支援金額を上回る場合に差額を学校が負担する「キャップ制」を導入していることをあげた。これらの取組みは、地域ごとの授業料の差異や私立高校に通う生徒の割合の違いを考慮したものである。
また、性的マイノリティへの教育支援についても触れた。文部科学省は、これまで多様性に対する理解や人権の尊重を育む教育を推進してきた。性的マイノリティの児童生徒へのきめ細やかな対応を目指し、教職員向けに啓発資料や支援事例を提供している。あべ大臣は、すべての人が尊重される共生社会を目指す取組みを続ける意向を示した。
さらに、デジタル教科書のハイブリッド化についても議論が進められている。中教審のワーキンググループでは、教科書の一部をデジタル化するハイブリッド教科書の可能性が検討されている。現状では、ほぼすべての教科でデジタル教科書が発行されており、紙の教科書にもデジタルコンテンツに接続するQRコードが付いている。今後、ハイブリッド教科書が認められる場合、各発行者が現場のニーズを踏まえた適切な政策を行うことが期待されている。
これらの取組みは、地域の実情や多様性を考慮した教育政策の一環として、今後の教育現場にどのような影響を与えるか注目されている。文部科学省は、引き続き地方自治体や教育現場と連携し、合理的で効果的な教育支援策を模索していく方針である。